フランシス・グラファール調教師は、2027年からせん馬が凱旋門賞(G1)に出走できるようにするというフランスギャロの提案について、「前向きな一歩」であると評価し、この変更によってフランス競馬最高峰のレースが世界の競馬で最も魅力的なイベントの一つとしての地位を維持できることを期待していると語った。
アスコット競馬場の競走・広報担当理事であるニック・スミス氏もこのニュースを歓迎した。一方、フランスギャロ元会長のエドゥアール・ド・ロートシルト氏は、せん馬の出走可否は「副次的な問題」に過ぎず、凱旋門賞の真の問題は、欧州の競馬日程の中で開催時期が遅すぎることであると主張した。
月曜日、フランスギャロ評議委員会は、ギヨーム・ド・サンセーヌ会長による、せん馬の出走を認めるレース条件の変更を欧州パターン委員会に求める提案を「圧倒的な賛成」で承認した。
同団体の声明では、このせん馬出走解禁について「平地競走における世界最高峰として凱旋門賞を確立するというフランスギャロの目標に向けた新たな一歩となる画期的な決定」であると述べた。
凱旋門賞は、ジャックルマロワ賞(G1)とともに、ヨーロッパの古馬混合G1競走の中では、いまだせん馬の出走を認めていない数少ない例外的存在となっている。しかし、この問題はフランス競馬界の意思決定層だけでなく、調教師や生産者の間でも長年議論の的となってきた。
凱旋門賞は長年にわたり「(優れた)繁殖馬選定のための競走」という使命を担っており、その点では2歳、3歳限定のG1競走と同じ位置付けにある。
この変更を支持するフランスギャロ内部の関係者は、凱旋門賞が世界最高評価のG1競走という定位置から後退し、その称号を最後に獲得したのは2021年だったことを指摘している。また、カランダガンとゴリアットというフランスのトップクラスのせん馬2頭が、有力な優勝候補になり得る存在として現れたことも議論に拍車をかけた。
グラファール調教師は、自身がその2頭の調教師であることから利害関係が大きすぎると見られることを懸念し、競馬統括機関と有力関係者との直接的な議論に加わることを常に避けてきた。しかし、凱旋門賞はせん馬にも開放されるべきだという自身の信念は以前から表明していた。
評議委員会が正式に決定を下したことを受け、グラファール調教師は火曜日、本誌に対し次のように語った。
「私は、せん馬を除外した3歳馬による繁殖馬選定のクラシック競走には賛成しています。しかし、異なる世代が対戦する最強馬決定競走では、牡馬、牝馬、せん馬を問わず、最高の馬たちに開かれているべきです。ジャパンカップ(G1)、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(G1)、ブリーダーズカップなど、世界最高峰のレースは出走資格を制限していません」。
さらにこう続けた。
「競馬というスポーツは、人々を楽しませ、人々の心をつかむことで初めて成り立つものです。私たちは皆、この素晴らしいスポーツが発展していくことを願っています。そのためにも、世界中のトップホース同士が対戦できるようにする今回の決定は、前向きな一歩だと考えています」
「凱旋門賞は世界中で注目を集める伝説的なレースです。今回の変更によって、このレースは、世界の競馬カレンダーの中でも最もエキサイティングなイベントの一つとしての地位を維持することになるでしょう」。
近年、ロンシャン競馬場が失った有力馬の恩恵を受けていたのはアスコット競馬場だった。せん馬のシリュスデゼーグル、アデイブ、アンマート、カランダガンはいずれも、2011年に開催地がニューマーケット競馬場から移された後の英チャンピオンS(G1)を制している。
アスコット競馬場の競走・広報担当理事ニック・スミス氏は今回の決定について、「良いニュースです。これで凱旋門賞も他のヨーロッパの主要な古馬混合競走と足並みが揃います。この変更は来年からなので、今年の各陣営の調教計画に影響することはありません」。
総賞金500万ユーロ(約9億2,500万円)を誇り、ヨーロッパ最高の古馬混合競走として知られる凱旋門賞は、近年、凱旋門賞トライアルデーに行われる3つの伝統的な前哨戦に加え、既存の中距離G1を対象とした凱旋門賞「Win and You're In(優勝馬に優先出走権が付与されるレース)」シリーズによってさらに強化されてきた。
せん馬の出走解禁は、ロンジンワールドベストレースに凱旋門賞が再び1位に返り咲くための取り組みの一環である。2021年以降、凱旋門賞は、ジャパンカップ、英インターナショナルS(G1)、英チャンピオンS、BCクラシック(G1)に首位の座を譲っている。
しかし、ロートシルト氏は、ロンシャン競馬場で重馬場や不良馬場となることこそがレーティング低下の最大要因であり、今回の問題はそれに比べれば副次的な問題に過ぎないと考えている。
2023年12月に退任したロートシルト氏は次のように語った。
「残念ながら、凱旋門賞が世界最高のレースではない唯一の理由は、シーズン中の開催時期が遅すぎることです。10回中9回は非常に柔らかい馬場か、力の要る馬場、あるいは重馬場で行われます。それでは世界最高の繁殖候補馬を選抜するうえで役に立ちません」
「理想的には、開催時期を2~3週間前倒しすべきです。ルイ・ロマネ氏と私は16年間その実現に取り組みましたが、国際競馬カレンダーの関係で実現できませんでした。いつの日か、私たちの後継者たちがそれを実現してくれることを願っています。せん馬に門戸を開くことは、開催時期の問題と比べれば副次的なことにすぎません」。
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海外競馬情報 2025年No.47「せん馬のカランダガンがジャパンカップを制した意義(国際)【開催・運営】」https://www.jairs.jp/contents/w_news/2025/47/1.html
海外競馬ニュース 2024年No.32「凱旋門賞におけるせん馬の出走制限への問題提起(フランス)[開催・運営]」https://www.jairs.jp/contents/newsprot/2024/32/3.html
By Scott Burton
(1ユーロ=185円)
[Racing Post 2026年6月23日
「'Championship races should be open to the best' - Francis Graffard welcomes decision to allow geldings to run in the Arc」]
