海外競馬情報 2012年11月20日 - No.11 - 5
リングフィールド競馬場の新しいポリトラック馬場の評判は概ね良好(イギリス)【その他】

 来週リングフィールド競馬場で2ヵ月間のブランクを経て全天候馬場でのレースが再開される際、同競馬場の常連の騎手や調教師は衝撃を受けるだろう。というのは、新しい馬場は12年間使われ続けてきた馬場とは大きく様変わりしているからである。

 同競馬場は再びポリトラックを採用したが、色は黄金色で質感はより柔らかい感じになり、大幅に変わった。

 1万トンの古い素材の入れ替えと新しい馬場の敷設を監督した馬場取締委員のニール・マッケンジー-ロス(Neil Mackenzie-Ross)氏は、新しい馬場はタイムが少し遅くなる傾向があるということをまず第一に言っていたが、昨日馬場の試用に参加した騎手と調教師は全員新しい馬場を良く評価した。

 ジョン・ベスト(John Best)調教師とゲイリー・ムーア(Gary Moore)調教師は、3つのグループの馬をギャロップさせ、その大半の馬には定期的に同競馬場で騎乗している騎手が跨った。マッケンジー-ロス氏は次のように語った。「私は現在のところ馬場を“標準から遅め”と見なしていますが、今日騎乗したどの騎手も遅いとは言っていません。馴染んでいくことでより速くなると思うので、前の馬場と同様になるにはそれほど時間は掛からないでしょう。しかし、前のポリトラックよりもずっと柔らかい感じで質感が異なるので、私たちは改めてこの馬場を理解しうまく扱う方法を身につけなければなりません」。

 3頭の馬で試走したジョージ・ベイカー(George Baker)騎手は、新しい馬場に非常に満足し、「この馬場は時間が経って落ちつけば素晴らしいものになるでしょう。本当に良い馬場になる可能性を持っています」と語った。

 ルーク・モリス(Luke Morris)騎手は、新しい馬場は“やや密度が低い”と言っており、トビー・アトキンソン(Toby Atkinson)騎手は以前よりも跳ね返りが少ないと感じ、またファーガス・スウィーニー(Fergus Sweeney)騎手は先頭を走っている時は素晴らしいと述べたが、“見た目が全く違うために最初は違和感があるだろう”とも付け足した。

 ムーア調教師は、自身の管理馬が皆新しい馬場で好走したと考え、次のように語った。「私はこの馬場が遅いことが分かっていましたが、問題はありません。ほとんど跳ね返りがなく、ポリトラックは世界一の馬場であり、この冬多くの管理馬をこの馬場に出走させるでしょう」と語った。

 同調教師の娘でベテラン障害馬に騎乗したヘイリー・ムーア(Hayley Moore)氏は最も肯定的で、次のように述べた。「私は新しい馬場が本当に気に入りました。もう少し馴染んだら、素晴らしいものになるでしょう。馬は非常によく走り、馬場状態は常に安定しています。素晴らしい弾力性で、衝撃がありません」。

 ポリトラック馬場を開発したマーティン・コリンズ(Martin Collins)氏は、このポリトラック馬場は以前と同じ素材の“砂、ライクラ、ゼリーケーブル、プラスチック、ワックス”からできているが、成分が異なる割合で使用されているおり、ワックスが以前より安定していることを指摘した。

 そして次のように付け足した。「この新しい馬場はある意味でエネルギーを秘めています。跳ね返りというものが無ければ馬場が安全ではないことになるので、跳ね返りは必要なのです。しかし以前とは違い、新しいポリトラックの跳ね返りは雪のかけらのようなものでしょう」。

By Graham Dench

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[Racing Post 2012年10月12日「‘Any kickback will be like snowflakes’ at new-look Lingfield」]