海外競馬ニュース 2020年10月22日 - No.41 - 3
ガイヤース、現役を引退しキルダンガンスタッドで種牡馬入り(アイルランド)[生産]

 ロンジンワールドベストレースホースランキング(2020年1月1日~10月4日)首位のガイヤースは、ルーティンの調教の後に筋肉を傷めたことで、現役を引退してキルダンガンスタッド(ダーレーのアイルランドの拠点)で種牡馬入りすることになったと、ゴドルフィンは発表した。

 ガイヤース(父ドバウィ)は2歳でオータムS(G3 ニューマーケット)、3歳でプランスドランジュ賞(G3 ロンシャン)を制した。そして4歳でバーデン大賞(G1 バーデンバーデン)をセンセーショナルな14馬身差で制覇し、圧巻のG1初優勝を収めた。

 今年は、その競走成績をより高いレベルに引き上げた。初戦となるドバイミレニアムS(G3 メイダン)を8½馬身差で制し、コロネーションカップ(G1 ニューマーケット)では昨年の英ダービー馬アンソニーヴァンダイクをねじ伏せた。

 エクリプスS(G1)でエネイブルをたやすく負かした後、強豪馬揃いの英インターナショナルS(G1)に出走し、マジカル、ロードノース、カメコに3馬身以上の差をつけて優勝した。

 愛チャンピオンS(G1)でマジカルの2着になった後、BCターフ(G1)への遠征を計画していたが、週末の調教の後に筋肉痛を発症し、その計画は中断を余儀なくさせた。

 チャーリー・アップルビー調教師はこう語った。「ガイヤースは通算成績13戦9勝の素晴らしいキャリアを送りました。コースを周回するときの抜群のスピードと容赦ない疾走は、眼福の光景でした。以前にも言ったと思いますが、今年のガイヤースは心身が折り合っており、完成品のようでした」。

 「ブリーダーズカップに連れて行けないのはもちろん残念ですが、1月のドバイから始まった長いシーズンを全力で戦ってきたことの影響が見え始めていました。そのため、彼を引退させることに決定しました」。

 「ガイヤースは、モールトン調教場(Moulton Paddocks)のチームの優れた資質の賜物です。彼が挙げた多数のG1勝利は、モハメド殿下に大きな喜びをもたらしました」。

 ゴドルフィンのアイルランドの拠点の社長を務めるジョー・オズボーン(Joe Osborne)氏はこう語った。「ガイヤースは私たちの牧場に加わる素晴らしい新種牡馬です。風貌と血統と相まってそのずば抜けた競走能力により、生産者に引っ張りだこの種牡馬となるでしょう。彼が来年からキルダンガンスタッドで供用されることをとても嬉しく思っています」。

 ガイヤースは、母が愛1000ギニー(G1)優勝馬ナイタイム(Nightime)であり、大成功を収めている「父ドバウィ―母父ガリレオ」の組合せから誕生した。この組合せは、英2000ギニー(G1)優勝馬であり現在ダーレーの前途有望な種牡馬であるナイトオブサンダーを送り出している。

By Kitty Trice

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[Racing Post 2020年10月19日「Ghaiyyath retired to Kildangan Stud after muscle soreness following work」]