海外競馬情報 2026年03月12日 - No.8 - 2
競馬の国際的発展に寄与したルイ・ロマネ氏が78歳で死去(フランス)【その他】

 国際競馬界で最も影響力のある人物の一人であり、国際競馬統括機関連盟(IFHA)名誉会長のルイ・ロマネ氏が3月4日に死去した。78歳だった。

 その人生を競馬の発展に捧げたロマネ氏は、フランスおよび世界における競馬の発展に尽力し、数多くの指導的役割を担い、現代のグローバルな競馬の枠組み形成に貢献した。

 IFHAの会長を務めるウインフリート・エンゲルブレヒト⁼ブレスゲス氏は次のように述べた。「ルイ・ロマネ氏は生涯を競馬の発展と世界の競馬コミュニティの結束強化に捧げました。その先見性、リーダーシップ、揺るぎない献身により、彼は競馬を新たな国際的な協調と発展の時代へと導く手助けをしました」。

 「ロマネ氏は私にとって40年来の友人、助言者であり、数十年にわたって国際的な競馬界の象徴として認知され、尊敬を集めていました。多くの友人を持つ彼は、情熱的で思いやりのあるリーダーであり、業界の多くの人にとって良き師でもありました。彼の死は深く惜しまれるものであり、彼が不断の努力で結束を図った世界中の競馬コミュニティにおいて、その功績は語り継がれることでしょう」。

 1994年にIFHAが創設された際、ロマネ氏は初代会長に就任し、その後25年以上にわたってその職を担った。その在任期間中、IFHAは競馬統括機関の間の協力で主要な役割を担う国際フォーラムへと発展した。彼のリーダーシップの下で、国際競馬は馬取引の増加、サイマルキャストおよび賭事市場の拡大、そして競馬統括機関間の競走ルールの調和といった目覚ましい発展を経験した。

 ロマネ氏は、今日の競馬における国際的な協力体制の構築にも重要な役割を果たした。彼は世界中の主要な専門家を集め、IFHAの多数の委員会の創設と発展を監督した。これには、馬の国際移動に関する委員会、国際格付番組企画諮問委員会、技術諮問委員会、馬の福祉委員会、競馬ルールの国際調和委員会、ロンジンワールドベストレースホース委員会、騎手の健康、安全、福祉のための国際会議が含まれる。また、馬の禁止物質と行為に関する諮問委員会や国際血統書委員会といった既存の団体の活動についても強く支持した。

 競馬における公正性と福祉の確保に熱心に取り組んできたロマネ氏は、ドーピング管理や馬と騎手の健康、安全、福祉といった問題を継続的に提起した。フランス国内外のフォーラムにおいて国際競馬の立場から、馬術および競馬コミュニティにおける重要な取り組みの推進に貢献した。

 ロマネ氏は国際競馬における強力かつ協調的なドーピング管理の主要な提唱者でもあり、競走馬は薬物や禁止物質の影響を受けていない状態でのみ競い合うべきだと強調した。また、IFHAリファレンスラボラトリー(認定検査機関)プログラムの推進にも尽力し、主要な競走がIFHAによって審査された研究所によって支えられる体制の確立に尽力した。これらの研究所は、リソース、認定状況、研究活動、主要なドーピング剤の検出能力といった重要な基準に基づいて評価された。

 また、競馬における国際的パートナーシップの推進にも重要な役割を果たした。彼はIFHAとロンジンの画期的なスポンサー契約の推進者であり、この契約はIFHAの活動と国際競馬の世界的な普及に貢献した。このパートナーシップの一環として、ロンジンとIFHAは、競馬界のチャンピオンを国際的な規模で称え、認め、高める手段として、権威あるワールドベストレースホース、ワールドベストホースレース、ワールドベストジョッキーの各賞を創設した。

 米国ジョッキークラブの理事長兼COO(最高執行責任者)であるジェームズ・ガリアーノ氏は、「ルイ・ロマネ氏は国際的なサラブレッド競走の真の擁護者であり、世界的なドーピング検査、公正確保、国際協力の推進に大きく貢献するとともに、世界中の競馬と生産の発展を促進しました」と述べた。「彼はアメリカ競馬界とも深くかかわり、1997年および2009年にサラトガで開催されたジョッキークラブ円卓会議で講演を行いました。彼の長きにわたる貢献に感謝しています。また、IFHAの副会長として彼と共に働けたこと、そして大切な同僚かつ親愛なる友人となれたことを光栄に思います」。

 「彼のご家族と、彼のリーダーシップに影響を受けたすべての方々に、心よりお悔やみ申し上げます。彼の死は深く惜しまれることでしょう」。

 加えて、ロマネ氏は競馬以外の分野での協力の拡大にも取り組んだ。IFHAと国際獣疫事務局の提携を支援し、国際馬術連盟との連携を強化するため、国際馬スポーツ連盟の創設を支援した。

 彼の功績の一つに、IFHAの従来の体制を見直し、ガバナンスと運営の枠組みを強化した現行体制を確立したことが挙げられる。IFHAの創設と発展における自身の役割を踏まえ、この見直しは世界の競馬統括機関間の地域代表性と協力を強化するとともに、主要な競馬関係者を結集し、国際的な重要課題における競馬の方向性を示した。ロマネ氏はこの取り組みを、IFHAの長期的な有効性と国際競馬の持続的成功を確保するための不可欠な貢献と位置づけていた。

 2021年にIFHAの会長から退くこととなったロマネ氏は、競馬への並外れた貢献を認められ、名誉会長の地位を与えられた。

 IFHAの会長に就任する以前、ロマネ氏はフランス競馬界の重鎮として知られていた。由緒ある競馬一族に生まれ、1968年にフランス馬種改良奨励協会(訳注:かつてのフランス競馬統括団体の一つ)の職員となったが、ロマネ家は三代にわたりそこで働いており、彼で4人目となった。その後数十年にわたってフランスの競馬界で要職を歴任し、1986年には同協会の事務局長に任命された。1995年にフランスギャロが設立されると、組織・国際担当理事に就任した。その後1998年から2007年の引退まで事務局長を務めた。

 ロマネ氏の競馬界への貢献は世界的に広く認知されている。2009年にフランス政府からレジオンドヌール勲章オフィシエを授与されたほか、英国競馬記者協会からダービー賞、米国ジョッキークラブから金メダル、カナダジョッキークラブからソヴリン賞特別賞、ドイツサラブレッド育成・競走協会から金メダル、日本政府から旭日中綬章がそれぞれ授与されている。

Edited Press Release

International Federation of Horseracing Authorities

[bloodhorse.com2026年3月5日「Racing Visionary, Global Leader Romanet Dies at 78」]