海外競馬情報 2025年10月30日 - No.41 - 2
米国ジョッキークラブ、競走馬の追跡調査を開始(アメリカ)【その他】

 米国ジョッキークラブ(TJC)は10月22日、サラブレッドの追跡調査を開始すると発表した。この調査は、競走や繁殖の役目を終えたサラブレッドの行方を業界が把握できるよう、その使用状況や所在地を含む情報を記録しようとするものだ。情報提供者は馬に関する追加情報の提供も可能で、引退サラブレッドの生涯に関するデータ生成に役立つことになる。

 「追跡調査を通じて、引退馬やまだ出走したことのない馬を所有・リース・預託する全ての関係者に、自発的に馬の状況を報告いただき、トレーサビリティの向上にご協力いただければと思っています」と、TJC法務副顧問兼業界イニシアチブ部長のクリスティン・ワーナー氏は述べた。「競走・繁殖キャリアを終えたサラブレッドの行方を把握することは、業界全体のアフターケア活動を前進させ、福祉の向上、説明責任の履行、そして競馬に対する公衆の信頼を支えることになります」。

 TJCは、全てのサラブレッド所有者に対し、1頭あたり数分で完了する本調査を2026年6月30日までに回答するよう要請している。ただし、調査は引き続き実施され、所有者はその後も状況を随時更新できるようになっている。TJCは7月に回答を評価し、その分析結果は2026年円卓会議で発表される予定である。

 調査への回答には、https://www.registry.jockeyclub.com にて無料で登録可能な双方向登録システム(IR)アカウントが必要である。IRにログイン後、「追跡調査(Traceability Survey)」をクリックすることで回答できる。

 本調査は、2023年円卓会議で発表されたTJCによる現在進行中の追跡調査イニシアチブの一環である。2017年以前に生まれ、紙の血統登録証明書を有する高齢馬を対象とし、2024年に開始されたデジタル証明書追跡調査促進策を補完するものである。

 回答のない馬については、TJC登録局が、サラブレッド・インセンティブ・プログラム番号またはサラブレッド・アフターケア・アライアンス活動がなく、輸出・死亡・繁殖用として報告されていない2017年以前の生まれで紙の血統登録証明書を有する馬の最後に携わった関係者へ追跡メールを送付する。デジタル証明書が発行されている馬の関係者に対しても、登録局からフォローアップの通知が届くことになる。

 TJCのトレーサビリティ・イニシアチブは、サラブレッドの繁殖・競走キャリア終了後の追跡、現存頭数の推定、トレーサビリティ向上を支援する。本イニシアチブを通じて提出された情報の分析により、TJCは競走馬から第二のキャリアへの移行に関する情報をより効果的に提供できるようになる。

 所有馬の新たなキャリアを探している馬主向けのリソースは、TJCのウェブサイト( https://www.jockeyclub.com/default.asp?section=Resources&area=27 )で閲覧できる。

 競走馬を引退させたい馬主は、「競走引退として登録移転」手続きを利用することで馬は永久に引退扱いとなる。

Unedited Press Release

The Jockey Club News Service

[bloodhorse.com 2025年10月22日「The Jockey Club Launches Equine Traceability Survey」]