海外競馬情報 2024年01月19日 - No.1 - 5
ブローウェン氏、オールドフレンズの会長を退任(アメリカ)【開催・運営】

 引退馬施設オールドフレンズ(Old Friends ケンタッキー州ジョージタウン)の創立20周年が明けた時、マイケル・ブローウェン氏は2003年に立ち上げたこの施設の会長職を退くと発表した。

 しかし今後はもはや牧場の日常的な運営に関わることはないものの、訪問者を歓迎したり、見学ツアーを実施したり、必要に応じて業務を行う予定だ。

 オールドフレンズの会長兼CEO職を引き継ぐのはジョン・ニコルソン氏である。彼は1997年から2014年までケンタッキーホースパークの専務理事を務めたことでよく知られている。2月1日にオールドフレンズの新会長に就任し、組織のリーダーシップを担うことになる。

 ブローウェン氏はこう語った。
 「数年前から後任となる人物を探していました。私が最も重要視していたのは、本当に本当に馬を最優先にしてくれる人物であることでした。口先だけでなく、心の底から馬のことを第一に考えてくれる人でなければなりません」。

 「そして多分半年ほど前だったと思いますが、ジョンにばったり会って話し合い始めたのです。私はジョンにこう言いました。『オールドフレンズを引き継いでくれる人を血眼になって探しているんだ。できるかぎりのことはやったからね。最初はダイアンと私がゴルフカートで馬に餌をやるところから始めた、小さな夫婦経営の事業だったのだけど、今では数百万ドル規模の企業になってしまった。だから、誰かその規模の経営をこなせる人がほしいんだ。私たちよりもはるかに大きな施設を管理してきた、本当に優秀なCEOを探している。それにオールドフレンズを改善できる唯一の方法というのは、より多くの馬のためにより広いスペースを確保することだからね。つまりより多くの資金や寄付金を募ること、そして大きな事業の扱い方を熟知したCEOが必要なんだ』」。

 「会長に就任してくれる人を探す中で大きな関心事だったのは、私と同じような態度を馬に対してとれる人を見つけることでした。そのことをいつも心配してきましたね。まあ今は、ジョンが来てくれることになったので、その心配はまったくなくなりましたが。年老いたと感じるのではなく、肩の荷が下りたような気がするのですよ」。

 「そう、ジョンが後任になりたいと言ったとき、最高のことじゃないかと思ったのです。ジョンのことは何十年も前から知っていますし、彼がケンタッキーホースパークで成し遂げたことは実に驚異的でした。あそこで素晴らしい仕事をしましたね」。

 「2つのことが決め手になったのです。何よりもまず、彼は経験豊かで、馬に対する感受性や愛情が強く、管理能力に長け、人との付き合い方が上手です。それにオールドフレンズのために役立ちたいと心から願ってくれるだろうとても大切な人たちをたくさん知っているのです。彼がこの組織を引き継ぎ次のレベルに引き上げる人物であることは明らかだとすぐに思いました」。

 「もうひとつは、私たちが"馬の世話をする牧場"と"牧場を円滑に運営する事務所"の両方で素晴らしいチームをついに編成することができていたということです。"ワールドシリーズ"に出場できるようなチームであり、今いるスタッフの誰もトレードに出そうとは思いません。だから、ジョンは機運の高まっていくような素晴らしい状況で着任できるだろうと感じました。彼はただこの状況を継続させ、さらなるレベルに押し上げるだけでいいのです」。

 ニコルソン氏は新会長となるにあたりこう述べた。

 「オールドフレンズファミリーに加わる機会を得たことにワクワクしています。マイケル・ブローウェン氏のビジョンと価値観を引き継いでさらに高めていきます。オールドフレンズは先陣を切ってサラブレッドのアフターケア活動に取り組んできました。このような重要な活動に参加できることを光栄に思っています」。

 「マイケルのビジョンと粘り強さには、常に深い敬意と感謝の念を抱いてきました。彼が成し遂げたことには、目を見張るばかりです。長年にわたる友情を大切にしてきており、とりわけオールドフレンズとケンタッキーホースパークのあいだには素晴らしい協力関係がありました。彼とは、"私たちが与えた以上のものを馬はお返しにもたらしてくれている"という精神を常に共有してきました」。

 「オールドフレンズは競馬産業だけでなく、何よりも馬の生涯に対して重要かつ不可欠な貢献をしています。それらの馬は私たちに多くのものを与えてくれてきたのです。私はキャリアにおいていくつかの意義深い活動に参加できる幸運に恵まれましたが、オールドフレンズは馬を愛する私たち全員に、存分に尽くしてくれた動物に奉仕するまたとない機会を与えてくれるのです」。

 「マイケルが創設者としてオールドフレンズの日々の業務に関わり続けてくれるのも、とても嬉しく心強いことです。彼が元気でオールドフレンズの使命へたゆまぬ情熱を傾け続けているのは、ありがたいことです。今後、数週間、数ヵ月にわたって彼のもとに行き教えを受け学ぶつもりです。マイケルやオールドフレンズのチームと一緒に働くことは、気分がうきうきするようなやりがいのあるものになると確信しています」。

 「それに現段階まで人生とキャリアにおいて、馬産業・観光業界・非営利事業で多くの経験を積んできました。オールドフレンズがその素晴らしい活動を今後、数十年、数世代にわたり続けられる強力で存続可能な組織となるように貢献できる立場にあると信じています」。

By Old Friends Press Release

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