海外競馬情報 2022年11月22日 - No.11 - 5
2023年のクールモアの種付料(アイルランド)【生産】

 きらびやかな一年を過ごしたノーネイネヴァーは、クールモアがアイルランドで供用する種牡馬群のトップに立つ。2023年の種付料が前年よりも5万ユーロ(約725万円)引き上げられ17万5,000ユーロ(約2,538万円)となるのだ。

 影響力の強い種牡馬スキャットダディを父とするノーネイネヴァーは現役時代、ウェスリー・ウォード調教師のもとノーフォークS(G2)やモルニー賞(G1)を制した。種牡馬としてはクールモアのパートナーシップのもと、今シーズンは2歳のG1馬3頭を送り出している。

 その1頭であるブラックビアードは今シーズン、モルニー賞とミドルパークS(G1)をダブル制覇したが怪我のために引退した。ブラックビアードもクールモアの種牡馬群に加わり2万5,000ユーロ(約363万円)で供用される。

 ノーネイネヴァーは、さまざまな快挙を果たしたアルコールフリーの父でもある。アルコールフリーは今シーズン、綿綿と続く優勝レース一覧にジュライカップ(G1)加えた。また、フェニックスS(G1)優勝馬リトルビッグベアや最近BCジュベナイルフィリーズターフ(G1)を制したメディテイトもノーネイネヴァー産駒である。

 2021年にフランスから移籍してクールモアで供用されているウートンバセットは今年のナショナルS(G1)優勝馬アルリファを送り出した。2023年の種付料も今年と同じ15万ユーロ(約2,175万円)となる。

 平地部門の種牡馬21頭の中で最も特筆すべき引上げ幅を誇るのは、ファーストクロップがデビューして前途有望な2頭である。BCジュベナイルターフ(G1 11月4日)を制したヴィクトリアロードを送り出したサクソンウォリアーの種付料は、2万ユーロ(約290万円)から75%引き上げられ3万5,000ユーロ(約508万円)となる。また、数々の優良馬を出しているスーネーションの種付料も1万ユーロ(約145万円)から同じく75%引き上げられて1万7,500ユーロ(約254万円)となる。

 ほかに種付料が引き上げられるのは、チャーチル、グレンイーグルス、スタースパングルドバナーである。

 クールモアは全体的に種付料をわずかに下げるという決定を下した。より供用年数が長い種牡馬の中で種付料を引き下げられるのは、キャメロット、オーストラリア、フットステップスインザサンドである。

 一方、エスティファームにより購買されたハイランドリールが日本で供用されることが発表された。G1・7勝馬ハイランドリールは世界を舞台に4年にわたり活躍し、獲得賞金は750万ポンド(約12億3,750万円)以上にのぼる。

 ハイランドリール(父ガリレオ)は重賞勝馬2頭を送り出している。ドルメロ賞(G2)を制したアタミスクとG3勝馬のコマンチカントリーである。また南半球でも最近ハイアプローチがTABトロフィー(L)を制したことで、初めてのステークス勝馬を送り出した。

 ハイランドリールは現役時代、英国でキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)・プリンスオブウェールズS(G1)・コロネーションカップ(G1)を制したほか、香港ヴァーズ(G1)2勝を達成し、米国のBCターフ(G1)とセクレタリアトS(G2)で優勝している。今年はクールモアで供用5年目を迎え、1万ユーロ(約145万円)で供用されていた。

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By Bloodstock World staff

(1ユーロ=約145円、1ポンド=約165円)

[Racing Post 2022年11月10日「No Nay Never heads the Coolmore pack at €175,000 after fruitful top-level haul」]