海外競馬情報 2021年11月24日 - No.11 - 3
2022年ダーレーの種付料(欧州)【生産】

 ダーレーの輝かしい新種牡馬パレスピアはダーラムホールスタッドでの生活を種付料5万5,000ポンド(約853万円)から始める。これは父キングマンが2015年に種牡馬入りしたときの種付料と同額である。

 ダーレーはキングマンの最高レーティングの産駒に最高の期待を抱く権利がある。世界最強マイラーであるパレスピアは、ジャックルマロワ賞(G1)を2勝し、ロッキンジS(G1)・クイーンアンS(G1)・セントジェームズパレスS(G1)をそれぞれ制し、G1・5勝を達成して現役を引退した。

 ダーレーはこのほか2頭の新種牡馬の種付料を発表した。フォレ賞(G1)とモーリスドゲスト賞(G1)での勝利に11月6日のBCマイル(G1)制覇を加えてキャリアを締めくくったスペースブルース(父ドバウィ)は、キルダンガンスタッドにて1万7,500ユーロ(約228万円)で供用される。

 一方、ヴィクタールドラムはロジ牧場にて1万5,000ユーロ(約195万円)で供用される。2歳で無敗のG1馬となった彼は、父シャマルダルに倣って仏2000ギニー(G1)を制している。

 ドバウィの種付料はひきつづき、ダーレーの中での最高額25万ポンド(約3,875万円)とされる。ドバウィは今シーズン、重賞勝馬23頭、ステークス勝馬37頭という驚異的な成績を収め、史上初めて同一年にブリーダーズカップ開催で優勝馬3頭(モダンゲームズ、ユビアー、前述のスペースブルース)を出した種牡馬となった。

 ダーレーは全体的に慎重な見方をしており、ほとんどの種付料を新型コロナの影響を受けた2021年の価格帯にとどめている。唯一種付料が引き上げられたのは、ファーストクロップの中からクイーンメアリーS(G2)優勝馬クイックスージーなどの活躍馬を出したプロフィタブルである。その種付料は1万ユーロ(約130万円)から1万2,500ユーロ(約163万円)に少しだけ増額される。

 ダーレーの種牡馬担当主任であるサム・ブラード氏はこう語った。「豊かな質と実績をもつ種牡馬群に、複数のG1を制した優良馬3頭を迎えることにワクワクしています」。

 「2020年にはブルーポイントとトゥーダーンホットを迎え、昨シーズンにはガイヤース、アースライト、ピナトゥボが加わっています。私たちは最近素晴らしく前向きなセリシーズンを経験したところですが、そこから利益を得るあらゆるチャンスを生産者の皆様方にお届けできているものと確信しております」。
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By Tom Peacock

(1ポンド=155円、1ユーロ=約130円)

[Racing Post 2021年11月9日「Champion miler Palace Pier introduced for £55,000 at Dalham Hall」]