海外競馬情報 2021年11月24日 - No.11 - 2
2022年クールモアの種付料(アイルランド)【生産】

 クールモアはその優秀な種牡馬群の2022年種付料を発表した。種付料が引き上げられる2頭の優良種牡馬、ウートンバセットとキャメロットは2022年、それぞれ15万ユーロ(約1,950万円)と7万5,000ユーロ(約975万円)で供用される。

 22頭からなる種牡馬群の中で最高額の種付料を誇るのは、最近頭角を現しつつあるセンセーショナルな種牡馬ウートンバセットである。同馬は2020年夏にエトレアム牧場から購買されたが、そこで送り出した数少ない産駒の中から2016年欧州最優秀3歳牡馬のアルマンゾル、2020年ジャンロマネ賞(G1)優勝馬アウダーリャ、2020年アベイドロンシャン賞(G1)優勝馬ウディッドが出ている。

 今年活躍した優良産駒には、サンタラリ賞(G1)優勝馬アンカルヴィル、10月のマルセルブーサック賞(G1)を制したゼリー、ロイヤルロッジS(G2)とエークームS(G3)の優勝馬ロイヤルパトロネージ(Royal Patronage)がいる。G1馬であるウートンバセット(父イフラージ)の種付料は2020年に4万ユーロ(約520万円)、2021年に10万ユーロ(約1,300万円)だった。

 ノーネイネヴァーは種牡馬群の中で6ケタ(10万ユーロ以上)の種付料を誇る2頭目の種牡馬である。今シーズンは、コロネーションS(G1)とサセックスS(G1)を制したアルコールフリー、ロウサーS(G2)とプリンセスマーガレットS(G3)を制したザインクローデット(Zain Claudette)、モールコームS(G3)優勝馬でミドルパークS(G1)3着のアーマー(Armor)を送り出した。種付料はひきつづき12万5,000ユーロ(約1,625万円)とされる。

 キャメロットの種付料は6万ユーロ(約780万円)から自己最高の7万5,000ユーロ(約975万円)に引き上げられる。2020年の種付料は4万ユーロ(約520万円)だった。キャメロットはすでにG1馬9頭の父であり、その中にはサードラゴネット、サンタバーバラ、ロシアンキャメロット、そして10月に父のようにフューチュリティトロフィーS(G1 ドンカスター)を楽々と制した無敗のルクセンブルクが含まれる。

 新たに加わったセントマークスバシリカの種付料はすでに6万5,000ユーロ(約845万円)と発表されている。一方、オーストラリアとスタースパングルドバナーの2021年の種付料はそれぞれ2万5,000ユーロ(約325万円)と2万2,500ユーロ(約293万円)だったが、いずれも3万5,000ユーロ(約455万円)に引き上げられる。

 長年のリーディングサイアー、故ガリレオと名牝ウイジャボードの産駒であるオーストラリアは、今年新たに2頭のG1馬、メアオーストラリス(Mare Australis ガネー賞)とブルーム(サンクルー大賞)を送り出した。一方、スタースパングルドバナーはサラトガダービー(G1)とコックスプレート(G1)の優勝馬ステートオブレストを筆頭に、マーブルヒルS(G3)優勝馬でありミドルパークSで2着だったキャッスルスター(Castle Star)やネース競馬場のG3を制したエルマナエストレジャ(Hermana Estrella)を送り出している。

 将来有望なファーストクロップサイアーのチャーチルは、初年度産駒からブラックタイプ勝馬6頭を送り出し、そのうち3頭がリステッド勝馬である。その種付料は3万ユーロ(約390万円)から2万5,000ユーロ(約325万円)に引き下げられる。また、凱旋門賞(G1)と仏ダービー(G1)の優勝馬ソットサスの種付料も同様に減額される。ソットサスは1年目の今年、フェサード牧場で供用されていた。

 クラシック競走を制したサクソンウォリアー(父ディープインパクト 母メイビー 母父ガリレオ)の初年度産駒は1歳となり好評を博している。サクソンウォリアーの種付料はひきつづき2万ユーロ(約260万円)とされる。

 ジュライカップ(G1)とミドルパークSを制したテンソブリンズ(父ノーネイネヴァー)の種付料は2022年に2万ユーロ(約260万円)から1万7,500ユーロ(約228万円)に引き下げられる。英2000ギニー(G1)とフューチュリティトロフィーSの優勝馬であり、セントマークスバシリカの半弟であるマグナグレシア(父インヴィンシブルスピリット)の場合も、種付料が1万8,000ユーロ(約234万円)から1万7,500ユーロ(約228万円)へとわずかに引き下げられる。

 英国とアイルランドの2000ギニー(G1)優勝馬グレンイーグルス(父ガリレオ)は、ラビングドリームスがロワイヤリュー賞(G1 ロンシャン)制覇という大躍進を遂げたことでG1馬を送り出した。その種付料も2万5,000ユーロ(約325万円)から1万5,000ユーロ(約195万円)に減額された。

 また、G1・3勝マイラーのサーカスマキシマスの種付料は、初年度の2万ユーロ(約260万円)から1万2,500ユーロ(約163万円)に引き下げられる。一方、産駒のマリアナフットがモーリスドゲスト賞(G1)を制したフットステップスインザサンドとウォーフロントのG1優勝産駒ユーエスネイビーフラッグの種付料も、コヴェントリーS(G2)優勝馬カリックスの種付料も、すべて1万2,500ユーロ(約163万円)とされる。

 ホーリーローマンエンペラー、ドルメロ賞(G2)優勝馬アタミスク(Atamisque)のおかげで初めての重賞勝馬を送り出した人気種牡馬ハイランドリール、そしてスーネーションはすべて1万ユーロ(約130万円)で供用される。ホーリーローマンエンペラーの今年の種付料は1万2,500ユーロ(約163万円)だった。

 さらに、コヴェントリーS優勝馬アリゾナ、ベテランのロックオブジブラルタル、グスタフクリムトは、それぞれ6,000ユーロ(約78万円)、5,000ユーロ(約65万円)、4,000ユーロ(約52万円)で供用される。

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By Kitty Trice

(1ユーロ=約130円)

[Racing Post 2021年11月5日「Wootton Bassett to stand for €150,000 as Coolmore unveils powerful 2022 team」]