海外競馬情報 2019年08月21日 - No.8 - 1
世界最高賞金レースの創設を正式発表(サウジアラビア)【開催・運営】

 サウジアラビアの競馬関係者は8月7日、世界最高賞金レースとなる第1回サウジカップを2020年2月29日にキング・アブドゥルアズィーズ競馬場(首都リヤド)で開催すると発表した。総賞金は2,000万ドル(約21億円)、優勝賞金は1,000万ドル(約10億5,000万円)。

 ダート1800mのこのレースは、出走可能頭数を14頭とする。開催日(2月29日)は1月末のペガサスワールドカップ(G1 ガルフストリームパーク)と3月末のドバイワールドカップ(G1 メイダン)の間に設定された。ペガサスワールドカップの1着~3着馬にはこのレースへの出走権が自動的に付与される。

 サウジアラビア・ジョッキークラブ(Jockey Club of Saudi Arabia)は、輸送費・厩舎使用費・飼料費・医療費・装蹄費を支給する。また、関係者の航空券・宿泊の手配および費用負担も行う。出走登録料・出走料は無料であり、10着までに賞金が交付される。

 サウジアラビア・ジョッキークラブの会長であるバンダル・ビン・カリド・アル・ファイサル殿下(Prince Bandar bin Khalid Al Faisal 以下バンダル殿下)はこう語った。

 「国際競走としてサウジカップを創設したことは、サウジアラビアの競馬史において間違いなく最も画期的な出来事です。そして、サウジアラビアでこの偉大なスポーツを発展させるという決意、競馬の国際舞台における主要メンバーとなる願望を示しています」。

 「世界中のホースマン、メディア関係者、熱狂的な競馬ファン、そして多くの人々を2020年にリヤドに迎えることを楽しみにしています」。

 ファシグ・ティプトン社セリ会場(ニューヨーク州サラトガスプリングス)で催された午餐会において、この発表は行われた。フランキー・デットーリ騎手やゲイリー・スティーヴンス元騎手もこの発表に立ち会い、IRB(国際競馬事務局 英国ニューマーケット)の関係者が進行役を務めていた。

 バンダル殿下は、1年半以上も前から計画されてきたこのレースは1932年のアブドゥルアズィーズ国王(現在のサルマン国王の父)によるサウジアラビア建国を記念するものであると述べ、「この歴史ある競馬リゾートに来て、世界中の競馬関係者とお会いできたことを大変光栄に思います」と語った。

 サウジアラビアの関係者によれば、このダートレースに米国のトップレベルの馬を引き付けることを期待して、この発表はサラトガで行われた。数人の米国人のホースマンが抱く不安を和らげるために、関係者は2003年に開設されたキング・アブドゥルアズィーズ競馬場はトップクラスの競走馬にふさわしい環境であると証言した。

 デットーリ騎手はこう語った。「キング・アブドゥルアズィーズ競馬場で何度も乗ったことがあります。ベルモント競馬場をモデルとした1周2000mのコースを持つ競馬場です。乗ったことのある全てのダートの競馬場の中で最も気に入っている競馬場の1つです。先行しても追い込んでも勝つことのできる公平なコースです」。

 そしてこう続けた。「この競馬場で他に気に入っている点は、砂の跳ね返りが他のダート競馬場に比べてずっと少ないことです。なぜだか分かりませんが、砂が細かく、くっつきません。他の競馬場にはゴーグルを4つか5つ持って行きますが、この競馬場は2つ持って行けば十分です。芝馬も健闘できるような走りやすい競馬場です」。

 サウジアラビアの関係者は、この競馬場を称賛した10人の騎手の中にはエドガー・プラード騎手、オイシン・マーフィー騎手、ケリン・マカヴォイ騎手、オリヴィエ・ペリエ騎手などが含まれると語った。

 ホセ・オルティス騎手にとって、2016年キング・アブドゥルアズィーズカップ(G1 キング・アブドゥルアズィーズ競馬場)が米国外で初めて騎乗したレースだった。同騎手はリーマン(Leeman)で2着となり、その競馬場での充実した経験について報告した。

By Bob Kieckhefer

(1ドル=約105円)

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[bloodhorse.com 2019年8月7日「$20 Million Saudi Cup Will be World's Richest Race」]