海外競馬情報 2016年07月20日 - No.7 - 3
2015年のBHAの業績、黒字に転ずる(イギリス)【開催・運営】

 6月6日に発表された年次報告書によれば、BHA(英国競馬統轄機構)の財政状態は、2014年には100万ポンド以上の赤字であったが2015年は黒字に転じた。

 2013年には黒字であったが2014年に136万3,000ポンド(約1億9,082万円)の赤字となった財政状態は、2015年も赤字になるだろうと、BHAは昨年12月に予測していた。

 140ページの年次報告書には、英国競馬界の業績に関するさまざまな情報・統計が記載されており、BHAのCEO就任1年目のニック・ラスト(Nick Rust)氏の報酬が40万6,000ポンド(約5,684万円)であったことも記されていた。

 ラスト氏はこう語った。「報告書が示すとおり、2015年は英国競馬界にとって比較的良い年でした。BHAは安定した経済基盤を取り戻し、競馬産業に対する支援活動の増加に寄与することができました。英国競馬界の輝かしい将来に向けて、できること全てに取り組み続けたいと思います」。

 2015年の黒字は16万ポンド(約2,240万円)だが、英国歳入関税庁から2012年~2014年の研究開発の税額控除を受けたことから、最終的には69万ポンド(約9,660万円)となる。

 2015年の収入が前年比で5.85%増加したことがこの財政改善に貢献したと、BHAは述べた。収入の大半を占める、競馬場からの負担金、馬主からの出走登録料、調教師や騎手からの免許料などが増加した。また、運営経費を抑えたことも黒字化に寄与した。

 総収入は7%増の3,065万2,000ポンド(約42億9,128万円)となった一方、運営経費は前年よりわずか1.6%増の3,049万2,000ポンド(約42億6,888万円)であった。

 BHAの会計監査役ポール・フォスター(Paul Foster)氏はこう語った。「2015年も赤字となる可能性が高かったのですが、何とか黒字に転換できました。収入が増加したのがその理由の1つですが、引き続き運営経費の増加を最低限に抑えることもできました」。

 フォスター氏は、競馬開催中止の減少と馬主登録数が良好な水準に達したことが、2015年後半の収入増加の後押しとなったと説明し、「さまざまな収入項目において少しずつ増収があったことで、事態が好転しました。ある1つの項目で大きな増収があったということではありません」と語った。

 そしてこう続けた。「2016年は運営基盤の強化に取り組む計画です。2016年予算では収入が2%増加する予定で、新たな収入を増やす努力も行われていますが、わずかに赤字となることが予測されています」。

 「しかし、私たちは費用対効果が最も高い方法で運営改善に取り組んでいますので、年末までにその成果がもたらされ、できるだけ収支均衡に近づくことを期待しています」。

 BHAの運営経費は2010年の水準よりも低く、実質ベースで10%下回っている。

 フォスター氏は「運営経費を2010年よりも低く維持している事業体はそう多くはないでしょう」と付言した。

 人件費は運営経費全体の約半分を占め、2015年は前年比3.4%増の1,474万9,000ポンド(約20億6,486万円)であった。

 2015年のラスト氏の報酬の総額(引継期間も含む)は、前任者ポール・ビター(Paul Bittar)氏が2014年に受け取った44万3,000ポンド(約6,202万円)を下回る。

 2015年末のBHAの全職員数は210人で、1年前とほぼ同数である。

 ホースメングループ(Horsemen's Group)は、2011年と2012年にBHAから貸し付けられた50万ポンド(約7,000万円)のうち、17万5,000ポンド(2,450万円)を返済した。今年はさらに返済が行われる見込みである。


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By Bill Barber

(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2016年6月7日「BHA upsets the odds with surprise surplus」]