海外競馬情報 2014年04月20日 - No.4 - 1
キーンランド競馬場、ブリーダーズカップ開催地に立候補(アメリカ)【開催・運営】

 キーンランド競馬場はブリーダーズカップ開催地に立候補すると、3月27日に同場の理事長兼CEOのビル・トマソン(Bill Thomason)氏が認めた。

 ケンタッキー州レキシントンにある同場は、競馬シーズン閉幕時に行なわれるこの主要イベントを一度も開催したことがないが、トマソン氏はこの立候補について「私たちは本気です」と語った。

 ブリーダーズカップは1984年の創設以来、30年間で10場の異なる競馬場で開催されてきた。しかしこの7年間は、サンタアニタパーク競馬場とチャーチルダウンズ競馬場が交互に開催している。2014年は再びカリフォルニア州のサンタアニタ競馬場で10月31日と11月1日に開催予定で、3年連続の同場開催となる。

 現時点では2015年の開催地はまだ発表されていない。

 トマソン氏は次のように語った。「馬産地とブリーダーズカップを支援する生産者にとって重要なイベントなので、ケンタッキー州にブリーダーズカップを取り戻すことには確かに関心があります。我々の顧客を歓迎できるようなかたちで開催できるのであれば、世界的イベントを誘致することには興味があります。キーンランド競馬場に来てブリーダーズカップを観戦する人々は、ここでどのような体験をするのか期待感を持つでしょう」。

 ブリーダーズカップの誘致には同場のポリトラック馬場の撤去が交渉条件に入っているかについて、トマソン氏はコメントを控えた。2008年と2009年のブリーダーズカップはサンタアニタ競馬場のオールウェザー(プロライド馬場)で開催されたが、人工素材で災難が続いたことで2010年に撤去されることとなった。

 トマソン氏は「すべてが検討段階にあり、取り組むべき事柄が沢山あることは確かです」とした上で、ブリーダーズカップ協会(Breeders’ Cup Ltd.:BCL)に立候補計画を伝えたことを認めた。

 キーンランド競馬場は、ケンタッキー州競馬委員会(Kentucky Horse Racing Commission)からブリーダーズカップの伝統的日程である10月末か11月初めに開催日追加を可能とする許可を得る必要がある。これはチャーチルダウンズ競馬場がブリーダーズカップを開催してきた日程であり、同場はこのイベントを最多の8回開催している。

 また、ブリーダーズカップ規模の観客を収容するために仮設施設が必要となるだろう。チャーチルダウンズ競馬場が直近でブリーダーズカップを開催した2011年の2日間の入場者数は10万5,820人で、昨年のサンタアニタ競馬場の2日間の入場者数は9万4,628人であった。

 ブリーダーズカップがまだ1日開催だった1998年には、チャーチルダウンズ競馬場は8万452人を集め1日あたりの最多入場者記録を打ち立てた。キーンランド競馬場の1日あたりの最多入場者数は4万人強である。

 トマソン氏は次のように語った。「米国の他のあらゆるビッグイベントで提供される高級住宅や高級品のどれを選ぶか大いに悩まなければなりませんし、今後数ヵ月間において馬場の評価が行われるでしょう」。

キーンランド競馬場が早ければ来年までに計画を準備し交渉の席に着くことができることを、同氏は願っている。

 BCLの理事長兼CEOのクレイグ・フレイヴェル(Craig Fravel)氏は、発表前に開催場について話すことを禁じるBCLの方針に触れ、これに関するコメントは控えた。そして、「近い将来今後の開催地について比較的長期的観点を持つでしょう」とBCLが現在取り組んでいる戦略計画プロセスについて語った。

 BCLの役員たちは、“永続的開催地案”あるいは“限られた競馬場間でのローテーション案”を進めることを考慮していた。サンタアニタ競馬場とチャーチルダウンズ競馬場以外で最後にブリーダーズカップが開催されたのは、ニュージャージー州のモンマスパーク競馬場で開催された2007年である。

By Claire Novak

[bloodhorse.com 2014年3月27日「Keeneland Plans Future Bid for Breeders' Cup」]