海外競馬情報 2014年12月20日 - No.12 - 4
2015年クールモア牧場の種付料(アイルランド)【生産】

 クールモア牧場は2015年に新たに良血馬オーストラリア(Australia)を供用種牡馬として迎えるが、その種付料は5万ユーロ(約725万円)とされた。

 この種付料は、同牧場の他の供用種牡馬と比較すれば、同じく英愛ダービーを制したキャメロット(Camelot)の2倍である。また2011年英ダービー馬プールモワ(Pour Moi)の初年度種付料は2万ユーロ(約290万円)であった[ただしプールモワは、初年度はフェザード牧場(Fethard)で供用されていた]。

 クールモア牧場の重要な種牡馬ガリレオ(Galileo)の産駒オーストラリアは、今年初戦で英2000ギニー(G1)3着となった。その後英ダービー(G1)で優勝し、さらにカラ競馬場で愛ダービー(G1)を制した。そしてエイダン・オブライエン(Aidan O’Brien)調教師が管理するこの牡馬は、ヨーク競馬場でのインターナショナルS(G1)でザグレイギャッツビー(The Grey Gatsby)を破り優勝した。

 英愛オークス馬でG1を数回制しているウィジャボード(Ouija Board)の4頭目の仔であるオーストラリアは、2着となった愛チャンピオンS(G1)が最後の競走となり現役を引退した。

 今年、6回目のリーディングサイアーのタイトルを手にしようとしているガリレオは、2008年以後同じであるが、来年もプライベート価格で供用される。

 また、クールモア牧場の南半球からのシャトル種牡馬ファストネットロック(Fastnet Rock)もプライベート価格で供用される。

 オーストラリアと同じガリレオ産駒であるクールモア牧場の新種牡馬ルーラーオブザワールド(Ruler Of The World)は1万5,000ユーロ(約218万円)で供用される。

 去年の英ダービーを制したルーラーオブザワールドは、今シーズンはフォワ賞(G1)を制し、バリードイル勢と3月に同馬の所有権の半分を購買したアルシャカブレーシング社(Al Shaqab Racing)に勝利をもたらした。

 2歳のときにG1優勝し、土曜日にサンタアニタ競馬場で施行されたBCターフスプリントで2着となったノーネイネヴァー(No Nay Never)の初年度種付料は2万ユーロ(約290万円)とされた。

 また、昨年のデューハーストS(G1)勝馬ウォーコマンド(War Command)は1万5,000ユーロ(約218万円)、レーシングポストトロフィー勝馬キングスバーンズ(Kingsbarns)は6,000ユーロ(約87万円)の初年度種付料となった。

 そして、生殖能力の低いスタースパングルドバナー(Starspangledbanner)は、再びクールモア牧場で種牡馬生活を送ることとなり、2万5,000ユーロ(約363万円)で供用される。今年2歳になった同馬のファーストクロップの中にはロイヤルアスコット開催で優勝したアンセムアレキサンダー(Anthem Alexander)とザウォウシグナル(The Wow Signal)がいる。このショワジール(Choisir)産駒は、現在は豪州のローズモントスタッド(Rosemont Stud)で種牡馬生活の2年目を過ごしている。

 マスタークラフツマン(Mastercraftsman)は、来年の種付料が今年の3万5,000ユーロ(約508万円)から4万ユーロ(約580万円)に上げられる。この種付料引上げは、その3歳産駒の素晴らしい活躍により後押しされた。同馬の産駒であるザグレイギャッツビーは仏ダービー(G1 ジョッケークリュブ賞)を優勝し、愛チャンピオンSでオーストラリアを破った。また同じ産駒のキングストンヒル(Kingston Hill)はセントレジャー(G1)を優勝した。

 また、そのファーストクロップの代表がフェニックスS(G1)勝馬のディックウィッティントン(Dick Whittington)であるリップヴァンウィンクル(Rip Van Winkle)の種付料は、5,000ユーロ引上げられて2万5,000ユーロ(約363万円)になる。

 種付料が引き上げられる他のクールモア牧場の種牡馬には、UAEダービーを制しBCクラシック(G1)で2着となったトーストオブニューヨーク(Toast Of New York)の父ザウェイユーアー(Thewayyouare)[4,000ユーロ(約58万円)→5,000ユーロ(約73万円)]と、今年の欧州のセリに上場された1歳産駒の平均価格が4万9,863ギニー(約969万円)となったゾファニー(Zoffany)[7,500ユーロ(約109万円)→1万2,500ユーロ(約181万円)]がいる。

 11月にそのファーストクロップがゴフス社のセリに上場されるエクセレブレーション(Excelebration 父エクシードアンドエクセル)の種付料は、2万ユーロ(約290万円)から1万7,500ユーロ(約254万円)に引き下げられる。

 ヘンリーザナヴィゲーター(Henrythenavigator)の2015年の種付料は1万ユーロ(約145万円)引き下げられ、1万5,000ユーロ(約218万円)で供用される。一方、ディラントーマス(Dylan Thomas)の種付料は半減し5,000ユーロ(約73万円)となる。

 モストインプルーヴド(Most Improved)、パワー(Power)およびソーユーシンク(So You Think)の種付料もわずかに引き下げられる。

 今年のクイーンアンS(G1)勝馬トロナード(Toronado)の父ハイシャパラル(High Chaparral)は、今年と同じ3万ユーロ(約435万円)で来年も供用され、また、クラシック競走3勝のキャメロットは2万5,000ユーロ(約363万円)で供用される。

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By Tom Pennington
(1ユーロ=約145円)

[Racing Post 2014年11月5日「Derby hero Australia to stand at €50,000」]