海外競馬情報 2013年05月20日 - No.5 - 3
欧州のセリも中国人購買者の今後の需要に期待(欧州)【生産】

 タタソールズ社(Tattersalls)のマーケティング担当理事ジミー・ジョージ(Jimmy George)氏は4月12日、今週活況を呈した豪州のイングリス社のイースターイヤリングセール(Inglis Easter Yearling Sale)で高額馬取引を促進した中国人の投資が、2013年の欧州セリにおいても見られることは“まず間違いない”と語った。

 チャイナホースクラブ(China Horse Club 傑士馬主倶楽部)は同セールにおいて特に積極的で、購買パートナー数人と協力して購買活動を行い、数頭の優良馬を獲得した。

 彼らの購買馬の中で最も高額だったのは、クールモア牧場(Coolmore)とともに購買してエージェントのジョン・ウォレン(John Warren)氏がサインした、有能なスプリンターのスタースパングルドバナー(Starspangledbanner)の半弟にあたるファストネットロック(Fastnet Rock)産駒で、240万豪州ドル(約2億4,000万円)であった。

 今のところ、中国人購買者の豪州での積極的な購買活動が、近い将来欧州のセリに伝播するかどうかは分からないが、ジョージ氏は彼らの参加を促すためにすべて手を尽くしている。

 ジョージ氏は次のように語った。「今週の豪州での出来事には、勇気づけられます。タタソールズ社は、良い関係を築くとともに購買者となる可能性のある人々がニューマーケットに来ることを促すため、定期的に中国を訪れています。今年のタタソールズ社のセリにおいて、何らかの形で中国人の購買があることはまず間違いないでしょう」。

 「中国においては依然として賭事法が主要な問題となっており、そのため中国競馬は今なお萌芽期にあるので、中国が大規模な購買を行うかどうかは予見できませんが、私たちは中国における関係強化を続けるつもりです」。

 ゴフス社(Goffs)のCEOヘンリー・ビービー(Henry Beeby)氏は、ジョージ氏が述べた意見に同調し、中国人購買者が欧州のセリに定期的に参加するようになるまでにあまり時間はかからないだろうと確信している。

 ビービー氏は、「私たちは、中国人購買者が過去12ヵ月〜18ヵ月の間アイルランドで個人的に馬を購買してきていることを知っています。このことが今後セリへの参加につながっていくことを期待しています」と語った。

 そして次のように続けた。「彼らが今週豪州で目立って多くの購買活動を行ったことは確かに勇気づけられることであり、これが他の国々のセリに広がっていくと考えると素晴らしいことです。私たちがこれまでに成し遂げてきた事柄は中国市場にも訴えるものがあると確信しています」。

 ビービー氏は、ゴフス社も中国市場を獲得しようとしていると語り、次のように付言した。「私たちは中国に何回も出張を重ね、そこでアイリッシュ・サラブレッド・マーケティング社(Irish Thoroughbred Marketing)と緊密に取り組んできます。まもなく勢いが出てくることを期待しています」。

By Tom Pennington
(1豪州ドル=約100円)

[Racing Post 2013年4月13日「European can meet Chinese demand」]