海外競馬情報 2012年10月20日 - No.10 - 5
IFHAのロマネ会長、ジョッキークラブの改革努力を賞賛(国際)【その他】

 IFHA(国際競馬統轄機関連盟)のルイ・ロマネ(Louis Romanet)会長は、ジョッキークラブが米国で競走当日の薬物投与を禁止する取組みを継続していることを賞賛した。

 10月8日にパリで開催されたIFHAの年次国際会議(通称:パリ会議)の閉会の辞においてロマネ会長は、ジョッキークラブのジェームズ・ギャグリアーノ(James Gagliano)理事長が米国の薬物に関する改革努力について行ったプレゼンを賞賛した。

 同会長は、「“薬物投与の影響がない環境の下でのみ競馬は行われるべきである”というジョッキークラブの核となる信念は、私の耳に心地よい音楽のように聞こえます」と述べ、ギャグリアーノ理事長に対して、「あなたがこの戦略的戦いに勝つ幸運をこの部屋の誰もが祈っていると私は確信しています」と直接語りかけた。

 IFHAは、メンバー国が生産、競走および賭事についてのルールを調和し一致させることを推進している。

 IFHAの副理事長でもあるギャグリアーノ理事長とジョッキークラブは、米国における競走当日薬物投与を許容するルールを終わらせる運動を行ってきたが、その際米国の競走当日のサリックス投与を許容するルールは主要競馬国の大半と調和していないと指摘してきた。ギャグリアーノ理事長はまた、薬物ルールを改革するジョッキークラブの取組みの要点についても説明した。その変更の中には、ルール違反者に対してより厳格な罰則が含まれる。

 ロマネ会長は、ブリーダーズカップ協会(Breeders’ Cup Ltd.)が今年のブリーダーズカップの2歳馬限定レースでフロセミド(furosemide)を禁止する取組みも賞賛した。そして、フロセミドを投与せずに2歳馬を出走させることを誓約したサラブレッド馬主・生産者協会(Thoroughbred Owners and Breeders Association)のメンバーを褒め称えた。

 またフランスギャロ(France Galop)のベルトラン・ベランギエ(Bertrand Belinguier)会長は、競馬を発展させるためには、競馬界は賭事プールを統轄し、国会議員と強力な関係を保ち、競馬へのメディアの関心を高め、新規馬主を惹きつける手段としてパートナーシップを促進させることが必要であると語った。

 ロマネ会長はこのほか、オマーンが国際血統書委員会の承認メンバー国・地域のリストに加えられたことを報告した。この結果承認メンバー国・地域は69となった。そしてウクライナが認可の最終段階にあるため間もなく70となる。

 また、南米レースのレーティングをワールドサラブレッドランキングに統合するための取組みが行われている。レーティングは重賞競走の質管理のために活用される。

 ロマネ会長は、競馬界は新しい課題に対処し続けていると述べた。

 同会長は、「第46回パリ会議は、世界中の競馬統轄機関が地域および世界における変動する困難な環境に全力で対処する姿を明らかにしました。政府との関係を維持し、競馬商品のプロデューサーとして知的財産権を保護することは、重要な課題です。52ヵ国の代表者たちの集まるこの会議によって、競馬の最善の実施と調和のとれた規制を可能にする重要な情報交換ができるのです」と結んだ。

By Frank Angst

[bloodhorse.com 2012年10月10日「IFHA Applauds Jockey Club Reform Efforts」]