海外競馬情報 2011年05月27日 - No.10 - 5
フメレラ社とタブコープ社、トートのゲートウェイ事業のために提携(国際)【開催・運営】

 コミングリング(賭事プールの共同化)の競馬賭事を24時間提供できるトータリゼーターのハブ(中継地)としてマン島を位置づけようとする計画は、南アフリカを拠点とするフメレラ・ゴールド社(Phumelela Gold Enterprises: PGE)とオーストラリアの大手5賭事業者であるタブコープ社(Tabcorp)との間で戦略的パートナーシップが締結されたことで、大きな一歩を踏み出した。

 現在フメレラ社が運営している国際トータリゼーター事業は、今後プレミア・ゲートウェイ・インターナショナル社(Premier Gateway International: PGI)の合弁事業として共同で所有されることになる。

 フメレラ・グループのCEOであるライアン・デュ・プレシス(Rian Du Plessis)氏は、「私たちはタブコープ社とこのような戦略的パートナーシップを締結することを光栄に思っており、彼らと一緒に取り組むことを楽しみにしています」と語った。

 そして、「PGIは、賭事業者が1つのソフトウェアを通じてさまざまなトータリゼーターとコミングリングできるようにするでしょう」と付言した。

 この新設企業の経営への参加は、PMU(フランス場外馬券発売公社)や英国のトート社を含む少数の大手賭事プール運営会社にも打診されたが、唯一タブコープ社だけが拘束力のある形で関心を示したものとレーシングポスト紙は理解している。

 タブコープ社の賭事担当常務であるデヴィッド・アッテンボロー(David Attenborough)氏は、次のように語った。「私たちは、ゲートウェイ事業を営む初めての主要国際賭事会社となるチャンスをPGEが与えてくれたことを歓迎しています」。

「このゲートウェイ事業はトート運営者に対し、より効率良くそしてコストをかけずに他の国際的トータリゼーター事業へのアクセスを可能にします」。

 そしてアッテンボロー氏は次のように付言した。「タブコープ社のトータリゼータープールがゲートウェイ事業を通じてアクセス可能となることで作り出される輸出機会の増加により、オーストラリアとニュージーランドの競馬産業が恩恵を受けることを確信しています」。

「この事業により、豪州競馬の国際的な権利を管理しそれを30ヵ国に輸出しているスカイレーシング社(Sky Racing)がこの5年間で豪州競馬に分配した2,800万AUSドル(約25億2,000万円)がさらに大きくなります」。

 もともと英国競馬を支援してきた事業者で6月に南アフリカ競馬の英国での放送をターフTV社(Turf TV)からSIS社(Satellite Information Services: 衛星情報サービス)に移行させる予定のフメレラ社と、タブコープ社が所有するスカイレーシング社の両社ともが英国競馬を放映し賭事を受け付けることになる。

 フメレラ社の国際開発担当部長であるジョン・スチュアート(John Stuart)氏は、「PGEとタブコープ社は国際コミングリングのビジョンを共有しており、この2社による合弁事業はその目標を達成するための最初の大きな一歩です」と語った。

 そして、「PGIのような国際的なトートのゲートウェイ事業は、コミングリングを促進します。なぜなら、トートシステムが一旦ゲートウェイ業者に接続されると、それはすでにゲートウェイとリンクしている世界中のトートシステムとつながることになるからです」と付言した。

By Howard Wright
(1AUSドル=約90円)

[Racing Post 2011年4月12日「Phumelela and Tabcorp join forces in 24-hour tote project」]