海外競馬情報 2011年05月27日 - No.10 - 2
エイントリー競馬場、より安全なグランドナショナルを誓約(イギリス)【開催・運営】

 エイントリー競馬場の最高経営責任者であるジュリアン・シック(Julian Thick)氏は、グランドナショナルの変革について偏見はもっていないものの、変革がレースをより安全なものにするのだということを説く必要がある。

 エイントリー競馬場とBHA(英国競馬統轄機構)はいずれも、4月9日のグランドナショナルにおいて、オーネイス(Ornais)とドゥーニーズゲート(Dooneys Gate)が予後不良となったことを受けてメディアによる批判の標的となった。なお、当日は気温が高く、騎手は入線後騎乗馬に水を与えるため、迅速に下馬するよう指導されていた。

 動物愛護の圧力団体であるアニマルエイド(Animal Aid)が、世界一のスティープルチェイス競走の禁止を目指すキャンペーンを主導することは概ね退けられた一方、エイントリー競馬場の目玉イベントに対する世評が芳しくないのではないかという競馬界の懸念によって、レースのリスクを減少させることを目指していくつかの提案が行われた。

 それらの提案の中には、出走馬が殺到する第一障害までの距離を現在よりも短縮することが挙げられている。この議論は、レース序盤の速度がレースのペースを決めるということである。
またスピードの出にくい馬場とするために散水するという考え方もあり、一方では出走頭数を減少させる提案もなされた。

 しかしシック氏は4月12日、特定の事柄について議論しようとはせず、今年のグランドナショナルから生まれた前向きな出来事の1つであるとして多くの議論が出されたことを歓迎した。

 シック氏は次のように述べた。「私たちは、グランドナショナルをより安全なレースにしうるいかなる提案も興味を持って拝聴し、今後数週間以内にグランドナショナルだけではなくその3日間にわたる開催全体の徹底的な見直しを実施するつもりです。そして最終的にグランドナショナルを改善するのに必要なものがあると決定したら、それを実行します」。

 BHAの広報担当であるポール・ストラザース(Paul Struthers)氏は、次のように語った。「BHAは毎年行っているように、この開催を見直し、今後グランドナショナルでの危険性を現実的に減少させることができる方法を検討します。これはエイントリー競馬場とBHAの仕事であり、私たちは競馬関係者からの意見も聞きながら、動物愛護団体とともに取り組んでいくつもりです」。

By Graham Green

[Racing Post 2011年4月13日「Aintree pledges to look at suggestions for a safer Nationa」]