海外競馬情報 2010年10月08日 - No.19 - 2
ブリーダーズカップ、登録プログラムを大幅変更(アメリカ)【開催・運営】

 海外からより多くの出走馬をブリーダーズカップに惹きつける取組みと して、ブリーダーズカップ社(Breeders’ Cup Ltd.: BCL)は登録プログラムを大幅に変更する。同時にBCLは、“勝てば参加できる(Win and You’re In)”レースで優勝しブリーダーズカップへの自動出走権を獲得した馬の登録料と関連費用を同社が負担すると発表した。

 9月13日にキーンランド競馬場で行われた発表においてBCLは、ブリーダーズカップに登録されている世界中の種牡馬の産駒はすべて自動的にブリーダーズカップへの出走資格を有すると語った。

 発表によれば、「新しい登録プログラムへの資格を得るためには、北米以外の北半球で繋養される種牡馬の所有者は自身の種牡馬の公開種付料の50%に相当 する年間登録料を支払い、南半球で繋養される種牡馬の所有者は公開種付料の25%に相当する年間登録料を支払う」こととなっている。

 BCLのスポークスマンであるジム・グラクソン(Jim Gluckson)氏によれば、2011年から欧州と南半球における産駒登録はなくなり、現在の北米の産駒登録プログラムは変更なしで今後も実施される。

 “勝てば参加できる”ブリーダーズカップ・チャレンジの優勝馬への手当てを増やす方法として、BCLはブリーダーズカップに出走権のあるチャレンジ優勝 馬すべての出馬登録料を負担し、輸送費を補助する。発表によれば、BCLはまた、チャレンジを優勝した北米産駒の登録者に新たに1万ドル(約100万円) のボーナスを支払う。

 BCLのビル・ファリッシュ(Bill Farish)会長は発表において、「ブリーダーズカップは私たちの看板であり、本日明らかにしたプログラムによってブリーダーズカップは強化され、前進 し続ける世界的な競走となるでしょう。今回の取組みを通じてブリーダーズカップが海外市場からの目標となる一方、ブリーダーズカップを世界レベルの競走と して確立し、そのブランドを国際的に展開することが、米国の商業サラブレッド生産と競馬市場を強化する一助になると確信しています」と述べた。

 BCLのCEOであるグレッグ・アヴィオリ(Greg Avioli)氏は声明において、「ここ数年、米国外のサラブレッドでブリーダーズカップへの出走資格を有していたのは2%未満です。国際的な出走資格を 拡大するための新たな変更は、チャレンジ優勝馬と北米の生産者への追加的な奨励金とともに、世界的に優良な出走馬を競馬の主要イベントであるブリーダーズ カップに惹きつけ続けると確信しています」と語った。

 クールモア牧場(Coolmore Stud)の上席生産顧問であり、この新しい登録プログラムの作成を手伝ったBCLの競走・登録委員会の委員長であるクレム・マーフィー(Clem Murphy)氏は、声明において次のように述べた。「BCLは長年にわたり、米国外のトップレベルの牧場から興味を惹きつけ参加を促すための手段を検討 してきており、この新登録プログラムはまさにそれを実現する大きな一歩です。クールモア牧場は新登録プログラムを利用することを予定しており、私たちは欧 州、アジア、オーストラリアおよび南米の一流の牧場にも利用を促すつもりです」。

 BCLはまた、“国際登録プログラムを活性化し北米からのブリーダーズカップ出走資格馬を増加させる”ため、これまでであれば出走資格を得られなかった 馬(訳注:ブリーダーズカップへの産駒登録をしなかった馬)に対して、一定の料金を支払えば出走資格を与える1回限りの特別のプログラムを2011年に提 供する。このプログラムは、2011年2月1日から6月30日までの間2011年のブリーダーズカップに登録されている種牡馬の産駒すべてが利用可能であ り、料金体系は次のとおりである。1歳馬:3,000ドル(約30万円)、2歳馬:6,000ドル(約60万円)、3歳馬以上2万5,000ドル(約 250万円)。

 アヴィオリ社長は発表の中で、「これは長い間じっくり検討してきた1回限りの奨励措置です。当初、海外からの出走馬に狙いを定めていましたが、全体的な 公平性と米国とカナダの馬主にも提供されうる利益について考慮し、世界的規模でこの奨励措置を提供することが皆のためになると決断しました」と語った。

 BCLによれば、2010年にはブリーダーズカップ・チャレンジが66レースあり、50レースが米国とカナダで、16レースが欧州、アジアおよびオーストラリアで施行される。2011年のブリーダーズカップ・チャレンジのスケジュールは今後発表される予定である。

 ブリーダーズカップの国際的な賭事売上げは、この5年間で1,100万ドル(約11億円)から2,300万ドル(約23億円)に成長した。2007年にブリーダーズカップが2日間に拡大されてから、ブリーダーズカップは海外からの出走頭数を12頭から34頭に増やした。

 

By Blood-Horse Staff


[bloodhorse.com 2010年9月13日「Breeders' Cup Revamps Nominations Programs」]

ブリーダーズカップと欧州生産者基金の二重登録制に終止符

 欧州の競走馬がブリーダーズカップへの出走資格を得る方法が大幅変更され、2011年に実行される。

 新しい登録方法は欧州生産者基金(European Breeders’ Fund: EBF)との間に存在した二重登録協定に終止符を打ち、1つのスキームで資格を得ている馬はもう一方のスキームにおいても自動的に資格を得ることが出来る ようになる。今までは、EBFの資格を得ていた産駒は500ドル(約5万円)の追加料金を支払うことによってブリーダーズカップにも登録することが出来 た。

 EBFの発表文は、年間約60万ポンド(約8,400万円)の収入をもたらしていた二重登録協定が終了することは“残念である”と述べた。

 ブリーダーズカップ社のグレッグ・アヴィオリ社長は、「2009年は、欧州の産駒合計頭数1万8,000頭のうちたった1,200頭しかブリーダーズ カップに登録されませんでした。その他の地域については、5万頭と見積もられる産駒合計頭数のうちたった25頭しか登録されませんでした」と語った。

 「優良馬の馬主にブリーダーズカップへ出走させるよう仕向けることが、非常に難しくなりました。私たちは、何か新しいことを試みなければなりませんでし た。私たちは多くのシナリオを検討しましたが、この計画が、出走資格のある海外馬の数を増やすためのベストのものでした」。

 「他に検討された選択肢の中には、すでにEBFに登録されている馬をブリーダーズカップに追加料金なしで出走させ、その見返りに、米国産馬は無料で毎年 EBFの看板の下で施行される1,200レースへの出走資格を得るという案がありました。しかしそれは、EBFにとって受け入れがたいことでした。二重登 録協定は2010年末には終了し、基本的には廃止されるでしょう」。

 EBFが9月13日の夜発表したところによれば、ブリーダーズカップに産駒登録を行った米国産馬は、1歳のときに500ドル(約5万円)の追加料金を支払えば、欧州のEBFのレースに引き続き出走が認められるだろう。

 EBFは、毎年英国において120万ポンド(約1億6,800万円)のスポンサーシップを確保しているEBFの基金に対して、二重登録協定の終了が大きな影響を与えないことを願っていると関係者は述べた。

 

By Richard Griffiths
(1ドル=約100円、1ポンド=約140円)


Racing Post 2010年9月14日「Breeders' Cup changes spell end of EBF eligibility deal」]