海外競馬情報 2010年08月27日 - No.16 - 2
連邦政府のインターネット賭事に関する法案が前進(アメリカ)【開催・運営】

 米国でインターネット賭事を合法化する法案は、7月28日に米下院金融サービス委員会(House Financial Services Committee)において41対22で可決され、前進した。

 マサチューセッツ州選出の民主党のバーニー・フランク(Barney Frank)議員が主導したこの法案(HR2267)によって、免許を付与された賭事運営業者が個人顧客から賭事を受け付けるための規制および執行基準が 制定されることになる。この法案は各州に対し、州内で人々がインターネットにアクセスして賭事を行うことを許可するかどうか決定する権限を与え、同時に一 連の規制を適用する権限も与える。

 この法案についての米下院金融サービス委員会の要約は、次のとおりである。「この法案は、成人がふさわしいと思うやり方で金銭を使用する自由を保護し、 消費者を適切に保護する。インターネット賭事の免許を与えその運営を規制するこの法案は、不正行為、マネーロンダリング、未成年者の賭事や賭事依存症を防 ぐために、適切な予防措置を取ることを賭事免許取得者に求めるが、修正を経て、法案には以下の強力な保護策が含まれている。(1) 未成年者のオンライン賭事を防止する。(2) 未成年者あるいは依存症の賭事客を標的にしたインターネット上の不適切な広告を防止する。(3) この法令がインディアンの部族へ与える影響について明確にする。(4) 導入するにあたり部族との協議を求める。(5) 賭事依存症の者や子供の養育費の支払いを怠っている者のブラックリストに載っている人々から賭事を受付けることを禁止する。(6) インターネット賭事におけるクレジットカードの利用を禁止する。(7) 州内および部族内のインターネット宝くじは例外とすることを明確にする。(8) スポーツ賭事を禁止する。(9) 賭事客に金銭的損失の限度を設定するよう求める。(10) 公正確保に関して規制上の要件を強化する。(11) 連邦および州の賭事法に違反した者に賭事運営免許の取得を禁ずる。(12) 賭事運営免許を取得するための条件として米国で実体のある活動を行うことを求める。

 インターネット賭事は2006年から米国において禁止されてきたが、海外インターネット賭事業者による事業が拡大しつつあることを受けて、その合法化の動きは近年高まっていた。

 現在のところ、米国のインターネット賭事においては競馬へのパリミューチュエル賭事だけが合法とされている。NTRA(全米サラブレッド競馬協会)の理 事長兼CEOであるアレックス・ウォルドロップ(Alex Waldrop)氏は以前、「インターネット賭事に関する連邦法が、オンラインで提供される競馬のパリミューチュエル賭事を州間競馬法 (Interstate Horseracing Act)が認めたとおり十分に保護することとなるよう、NTRAはフランク議員とともに法案に取り組んでいます」と述べていた。

 

By Blood-Horse Staff


[bloodhorse.com 2010年7月29日「Federal Internet Gambling Advances」]