海外競馬情報 2007年07月06日 - No.13 - 3
ベランギエ会長、欧州パリ・ミューチュエル協会を指揮(欧州)【開催・運営】

 6月5日、ローマにおいて新たな欧州パリ・ミューチュエル協会が誕生した。この協会設立のイニシャティブを取ったフランス場外馬券機構(Pari Mutuel Urbain: PMU)のベルトラン・ベランギエ(Bertrand Bélinguier)会長が初代会長を務める。国際3連単馬券(Global Trifecta)の新発売を数日後に控え、この組織設立のイニシャティブを取った理由とその役割について、パリ・チュルフ紙が同会長に質問した。

 パリ・チュルフ紙(以下Q):現在までに欧州各国のパリ・ミューチュエル産業が同一の政策の下で協会を設立したことはありましたか?

 ベルトラン・ベランギエ会長(以下A):20年程前から欧州と他の大陸の諸国でつくった協会はありました。年に1度、記録に関する意見交換を主とする会合がありました。昨年のローザンヌ会議で、私はもっと有効な組織を早く設立する必要があると他の参加国に話しました。秋には全てのメンバーを凱旋門賞の前日にパリに招き、そこで私たちは2007年に新協会を設立し、これまでの協会は解散することを決定しました。

 

Q: 何か新しい飛躍があったのですか?
A: 競馬の中核システムであるパリ・ミューチュエルの特性をよく知って頂くことが急務です。そのためには、組織を設立・運営し、マーケティングや賭事商品の販売促進の面で、もっと活発に各国の経験を交換し合うべきです。さらに、ロビー活動の面でも、もっと効果的に活動することが重要です。
 
Q: 協会の設立はいつですか?
A: 6月5日、ローマで設立総会が開かれました。欧州10ヵ国が加入しており、加盟国の売上げは年間合計約150億ユーロ(約2兆4,000億円)が見込まれています。加盟各国のパリ・ミューチュエル産業の会長は全員、この組織の円滑な運営に協力すると約束してくれました。理事国はフランス、イギリス、アイルランド、イタリア、ノルウェー、スウェーデンの6ヵ国で、その他の参加国はドイツ、オーストリア、フィンランド、スイスです。恒久的な組織を作り、ブリュッセルを本拠として活動する事務局を設置するために予算を確保しています。今年の夏に事務局を設置するつもりです。私は新協会の会長になる光栄にあずかりました。
 
Q: 本拠地としてブリュッセルを選択する意味は?
A: パリ・ミューチュエルの存在とその経済的な影響力をよりよく知って頂くのには良い場所です。世界中の競馬で集められる賭金の75%はパリ・ミューチュエルに基づいています。宝くじ協会もブックメーカーと同じく欧州協会があります。私たちは取り残されてはいけません。
 
Q: 設立総会の進行状況は?
A: 各国の2006年の状況と今年1〜5月の傾向についての意見交換をしました。研究チームの1つはマーケティングと賭事営業に関する考察を発表しました。また、映像・競走情報の無許可使用と戦うための手段を検討しました。そして、6月10日にフランス・オークスを機に開始される国際3連単馬券について言及しました。

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 この国際3連単馬券の計画は技術的に重装備であり、良い結果を得るためには、ベランギエ会長はここ数ヵ月は辛抱強くなければならない。技術上の作業として、10ヵ国にレースの同時放映をし、情報・賭事処理のソフトウエアを導入しなければならない。会長は、「第1回目は3大陸の10ヵ国が参加するのですが、売上げを増やすことは次回の課題です。重要なのは第1回目の経験を踏まえて、課題を把握し、2008年に向けて野心的プログラムを練り上げることです。最初は世界中で知られている馬券として3連単馬券が選ばれましたが、今後他の種類の馬券を加えることが可能かどうかが判るでしょう」と述べた。

By Francois Hallopé
(1ユーロ=約160円)

〔Paris Turf 2007年6月7日「Bertrand Bélinguier aux commandes de l’Association des Paris Mutuels Européens」〕