海外競馬ニュース 2023年08月31日 - No.33 - 5
マカオの競馬が終了するという憶測が広がる(マカオ)[開催・運営]

 現地の報道によると、マカオジョッキークラブ(MJC)は依然として2023-24年競馬シーズンの承認を待っており、マカオでの競馬開催が無くなってしまうのではないかという不安の真っただ中にあるという。

 2022-23年シーズンの最終開催日は8月26日(土)だったが、マカオ政府がMJCの競馬運営権を撤回するのではないかという憶測が広がっている。

 「開催日の減少」、「海外に向けた馬券発売が不可能であること」、「7月に豪州からの馬輸送を停止したこと」などが、不確実性に拍車をかけている。

 マカオで6度リーディングジョッキーに輝いたマノエル・ヌネス騎手は、「マカオ競馬が大好きでしたし、終了してしまうなんて信じられませんね。願わくは、誰かがやって来て引き継いでくれたらいいのですが」と述べた。

 MJCは2023-24年シーズンを9月29日(金)から来年8月にかけて実施することを予定しており、ゲーミング検査・調整局(Gaming Inspection and Coordination Bureau)からの認可を待っている。

 2018年にMJCは24年間のリース延長を認められていた。競馬場の改築がその条件とされていたが、改築計画はまだ実現していない。

 競馬は週一度開催されており、1日5レースしか施行されない。所属頭数は220頭であり、全盛期だった2003年の1,200頭から激減している。

 2003年にマカオでは1,200レースが施行されていたが、この20年でマカオ競馬は衰退して、MJCは21億パタカ(約378億円)もの損失を被っている。

 シンガポール政府がクランジ競馬場の土地を再開発するため、2024年10月をもって競馬を終了させると発表してから3ヵ月も経たないうちにこのような事態が生じた。

 MJCは1980年に創設され、タイパ競馬場だけを運営している。かつては約1,400人の従業員がおり、マカオダービーなどのビッグレースが施行されてきた(訳注:今年のマカオダービーはマスターハンターに騎乗した中野省吾騎手が制覇。1994年には岡部幸雄騎手がこのレースを制している)。

By Jonathan Harding

(1パタカ=約18円)

 (関連記事)海外競馬ニュース 2023年No.21「伝統あるシンガポール競馬が2024年10月に終焉へ(シンガポール)

[Racing Post 2023年8月29日「Uncertainty and speculation mounts amid fears racing could cease in Macau」]