海外競馬ニュース 2023年06月15日 - No.22 - 4
菜種の収穫による馬の肺出血と発疹が報告される(アイルランド)[獣医・診療]

 ジェームズ・マコーリー氏もまた調教師として、この春の菜種の収穫に対する懸念を表明した。厩舎にいる馬の半数が発疹してひどく健康を損なったのだ。

 4月には、ポイント・トゥ・ポイント競走のハーリー・ダン調教師が近隣で行われている菜種の収穫により困難を被っていることを明らかにしていた。36頭の管理馬を移動させざるを得なかったという。一方、マコーリー調教師はダブリンの厩舎の管理馬に有害な影響があったと述べた。菜種畑は調教走路に隣接しており、厩舎を見下ろす位置にある。

 マコーリー調教師はこう語った。「大問題です。このせいでひどい目に遭いました。調教走路からわずか数メートルのところに畑があり、まさにキャンターでそばを通らなければなりませんでした。しかも畑は厩舎を見下ろす位置にあります。ほかにも調教走路がわずかに畑と接していてこの問題で悩んでいる厩舎もありますが、私たちの厩舎は畑と完全に隣接しているのです」。

 「厩舎にいる肺出血の兆候がなさそうな数頭も、実際調べてみると出血があったのです。確実に悪影響がありますね。当時30頭ほどが在厩していましたが、少なくとも15頭に発疹が出ていました。何が原因だか分からなかったのですが、アイリッシュ・エクワイン・センター(Irish Equine Centre)に問い合わせたところ、菜種の収穫が原因であることが判明しました」。

 「何頭かはひどく体調を崩していたので、そのようなことに関係なく走らせることはできなかったでしょう。いずれにせよ、レースに向けて調教するために入厩させることもできなかったのです。発疹が現れていた馬の健康が最も損なわれていましたね」。

 プレミアハンデキャップ(カラ 5月26日)をタワゾン(Tawaazon)で優勝したマコーリー調教師は塩療法機を導入した。そして、これからも厩舎を運営していくうえで、きわめて重要だと考えている。

 「菜種のシーズンが始まる前に塩療法機を導入しました。間違いなく役立ちました。馬の肺がきれいになるのです。これがなかったとしたら、1頭もパフォーマンスを発揮できなかったかもしれません。黄色い菜の花の収穫は終わり、2~3週間後にはすべて刈り取られることを期待しています」。

 ファーミングライフ(ニュースレター)によると、アイルランドの菜種畑の面積は2021年から2022年にかけて44%も増加している。マコーリー調教師は人間の健康にもかなり大きな影響があると述べている。

 「厩舎スタッフの健康にも影響があるのです。コナー・マクスウェル騎手が調教に乗りに来てくれましたが、菜種畑に沿って3本の追い切りにでも乗ればひどい頭痛に悩まされてしまうだろうと言っていました。厩舎には耐えられないほどの菜種の臭いが漂っていて、本当に強烈な臭いなのです。だけど馬は年中がら年中そこにいるわけです」。

 「政府は菜種栽培に補助金を出しているのですから、何か手を打たなければなりません。調教には生活がかかっています。私たちは所有する馬を調教するのを主な目的としているのでそれほど深刻な影響は受けません。あまりにひどい場合は調教を2ヵ月間休むことも可能です。しかし、ほかの調教師はそのようなことができないのです」。

By Conor Fennelly

[Racing Post 2023年5月30日「'It's a massive issue' - more concerns raised as rapeseed oil crops leave horses bleeding and covered in rashes」]