海外競馬ニュース 2023年05月11日 - No.17 - 3
ケンタッキーダービー開催日の発売金が過去最高を記録(アメリカ)[開催・運営]

 5月最初の週末は絵になるほど完璧なものとなり、第149回ケンタッキーダービー(G1)の発売金はチャーチルダウンズ競馬場の過去最高の記録を樹立した。ケンタッキーダービーだけでなく、ケンタッキーダービー開催日(5月6日)・ケンタッキーダービーウィークを対象としたすべての発売方法を通じた発売金が過去最高記録となった。

 チャーチルダウンズ社(CDI 本社:ケンタッキー州ルイビル)は5月6日(土)のレース終了後、CDIの競馬部門の基軸であるケンタッキーダービーウィークが優れた業績を残したと報告した。競馬場の改築が増益に貢献したと考えているという。この改築で、最初のターン(1・2コーナー間)にスタンド(ファーストターンエクスペリエンス)が新設され、コースとパドックを同時に見渡せるツインスパイアーズ(2つの尖塔)の下のスペースがより高級感あるものに改善されていた。

 ケンタッキーダービー開催日(5月6日)のすべての発売方法を通じた発売金は2億8,870万ドル(約389億7,450万円)に達し、昨年に打ち立てられた記録2億7,380万ドル(約369億6,300万円)を5%上回った。

 18頭立て(出走取消5頭・補欠馬3頭繰上り)の今年のダービーの発売金は1億8,870万ドル(約254億7,450万円)であり、20頭立ての昨年のダービーが記録していた1億7,900万ドル(約241億6,500万円)を5%上回った。

 さらにケンタッキーダービーウィークの発売金は昨年打ち立てられた記録3億9,180万ドル(約528億9,300万円)を5%上回り4億1,200万ドル(約556億2,000万円)となった。ケンタッキーオークス(G1)とケンタッキーダービーの開催日(5月5日・6日)に報告されたすべての発売方法を通じた発売金も3億6,360万ドル(約490億8,600万円)に達し、昨年打ち立てられた記録3億4,840万ドル(約470億3,400万円)を4%上回った。

 ケンタッキーダービー開催日の入場者数は15万335人で、昨年の14万7,294人から2%増加した。これまでの最多記録は2015年の17万513人である。

 また、CDIはツインスパイアーズコム社(TwinSpires.com CDIのオンライン投票部門)の事前入金型賭事(ADW)サービスで、ケンタッキーダービー開催日の発売金が7,360万ドル(約99億3,600万円)に達し、昨年打ち立てられた記録6,740万ドル(約90億9,900万円)を9%上回ったと報告している。ケンタッキーダービーにかぎった発売金は4,700万ドル(約63億4,500万円)で、昨年の4,400万ドル(約59億4,000万円)を6.8%上回り記録を更新した。

 CDIはリリースにおいて、「ケンタッキーダービーの成長は例年どおり、CDIの税引前利益を改善し続けています」と述べている。

 CDIのCEOビル・カースタンジェン氏はこう語った。「セクレタリアトのケンタッキーダービー制覇から50周年を記念して、ファーストターンエクスペリエンスをオープンさせられることができて感激しています。これは最初のターンの外柵側から馬と競馬場を一望できる、ほかに類を見ないプレミアム施設です。ケンタッキーダービーウィークの調整後税引前利益は、昨年達成した記録を1,400万ドル(約18億9,000万円)から1,600万ドル(約21億6,000万円)上回って、新たな記録になるでしょう。今後は2024年5月の第150回ケンタッキーダービーに向けた準備を開始し、1年間におよぶ祝賀イベントに速やかに焦点を定めていきます」。

 なお2022年の利益は2019年の記録を700万~900万ドル(約9億4,500万~12億1,500万円)上回るものだったと、CDIは報告した。

news_2023_17_03_01_.pngBy Gregory A. Hall

 日本のケンタッキーダービーの売得金、フォルテ出走取消で大幅ダウン

 レース当日のフォルテの出走取消は第149回ケンタッキーダービー(G1)に計り知れないほどの影響を及ぼすと同時に、日本の賭事プールに顕著な影響を与えた。

 JRA(日本中央競馬会)の数字によると、米国三冠の一冠目であるケンタッキーダービーを対象とした発売金は11億4,876万9,200円に上った。しかし約2億2,000万円は返還されることとなった。5月6日(土)朝にフォルテが出走取消となったのだ。それはケンタッキー州の夏時間と時差が13時間ある東京では、レース前日の夜遅くの出来事だった。

 日本からの遠征馬2頭が出走したケンタッキーダービーの最終的な売得金は9億2,689万2,600円となり、日本代表クラウンプライドが出走した2022年の10億7,538万4,300円から約14%減少した。昨年のダービーでクラウンプライドは1600mあたりで3番手を走っていたが、直線で勢いをなくし13着に終わった。今年はデルマソトガケが6着、マンダリンヒーローが12着となった。

 それでも2023年の売得金は、2019年の4億5,856万600円を大きく上回っている。

By Bob Ehalt

(1ドル=約135円)

[bloodhorse.com 2023年5月6日「Churchill Reports Record Kentucky Derby Day Wagering」、5月8日「Japanese Derby Handle Slips Due to Scratch of Forte」]