海外競馬ニュース 2022年02月10日 - No.5 - 4
G1優勝トレーナーが馬主情報改ざんにより6ヵ月の業務停止処分(フランス)[その他]

 フランスギャロ(France Galop)はG1優勝トレーナーであるファブリス・ヴェルムーレン調教師が管理馬12頭の馬主情報を改ざんしていたというクレームを長期にわたって調査し、同調教師に6ヵ月間の業務停止処分を科した。この処分のうち3ヵ月には5年間の執行猶予がつく。

 ベルギー出身でシャンティイを拠点とするヴェルムーレン調教師は、2018年の凱旋門賞開催日に施行されたマルセルブサック賞(G1)をリリーズキャンドルで制したことで一番よく知られている。また同じ年にはバルカー(Barkaa)でヴァントー賞(G3)を制し、ごく最近ではシャシュナック(Chachnak)とプリティタイガー(Pretty Tiger)でクラシックトライアルにおいて勝利を収めていた。

 ヴェルムーレン調教師の2022年のすべり出しは好調で14勝を挙げている。冬のカーニュ-シュル-メール開催での勝利によって、獲得賞金でジャン-クロード・ルジェ調教師に次ぐ2位につけていた。

 ヴェルムーレン氏自身が馬主のレティシア・ルイ氏に対して未払いの預託料を請求したことがフランスギャロの調査のきっかけとなったという事実は、皮肉もいいところである。

 ルイ氏ともう1人の馬主ローランス・ラヴニュ氏は今後の行動について注意喚起され、ロジ・サンジェルマン牧場は過怠金1,500ユーロ(約19万5,000円)を科された。すべての関係者は14日以内にフランスギャロの裁決委員会に不服申立てができる。

 ヴェルムーレン氏が有罪とされた管理規程違反の多くは、ル・マレ社(SAS Le Marais)という馬主にまつわるものだった。同氏の長年の仕事仲間、ジェレミー・パラ氏が登記した会社である。

 フランス警察の競馬・賭事に関する中央機関(SCCJ)はル・マレ社を調査し、それは2020年7月に重要な局面に入った。その調査結果により、フランスギャロは同社の競走馬所有を禁止することになった。

 パラ氏はヴェルムーレン氏が厩舎を開業するのに重要な役割を果たし、エージェント(馬売買仲介者)のライセンスも持っている。フランスギャロの事案では、この2人が第三者を利用してル・マレ社が多数の馬の所有権を持っていたことを隠していたという嫌疑が掛けられている。

 ヴェルムーレン氏は9月28日に行った最初の未払い請求で、ルイ氏が単独の馬主であると登録されているにかかわらず、ライジングスター(Rising Star 牝3歳)の預託料を75%しか請求していなかった。

 この矛盾について説明を求められたヴェルムーレン氏は、自身の調教事業体が残りの25%を所有していると当初主張していた。しかしその後のヒアリングの最中に、パラ氏がライジングスターのもう1人の馬主であることが判明した。

 ル・マレ社が無許可で馬の所有権を持つというパートナーシップの性格を覆い隠す同様のパターンが、牡馬マシュピシュー(Machu Pichou)のケースでも見られた。フランスギャロにはルイ氏がこの馬を単独で所有していると知らされていたが、請求書にはヴェルムーレン氏の調教事業体とラヴニュ氏の所有権がそれぞれ25%と記されていた。

 またもう1頭のオールズバーグビルベリー(Allsburg Bilberry)の2021年5月~7月の請求書には、そのときルイ氏がその馬の単独の馬主として登録されているにもかかわらず、ル・マレ社が25%の所有権を有していると記されていた。

 これら3頭は所有権の本質が明らかになるまで出走停止とされる。一方、ほかの9頭は問題となる状況が解消されたか、そのまま引退したことで制裁を免れた。

 パラ氏は競馬場への出入りが1年間禁止となり、そのうち6ヵ月には執行猶予がつく。パラ氏に対する裁定を行うにあたり、3人からなる審査委員会はルールの"重大かつ容認できない歪曲"に言及した。そして、同氏のエージェントとしての活動がル・マレ社に馬主としての部分所有権を与えないことを強調した。

By Scott Burton

(1ユーロ=約130円)

[Racing Post 2022年2月2日「Group 1-winning trainer banned for six months for falsifying ownership details」]