海外競馬ニュース 2022年06月09日 - No.20 - 4
ダービー発走数分前の打上げ花火に不満の声(イギリス)[その他]

 昨年のダービージョッキー、アダム・カービー騎手は今年のダービーでの騎乗馬ナハーニがレース前のサプライズ花火でチャンスを損なわれたと信じており、あのようなことをレースの数分前に実施するのは馬鹿げたことだと考えている。

 今年のダービー出走馬17頭が発走ゲートに到着しようとしているときに大きな音とともにカラフルな光が上がり、エプソムの観衆は衝撃を受けた。発走前にスタンドから競馬場の厩舎地区に至るまで灰色の煙が一面に漂った。

 ダービーの発走地点はスタンドからおよそ½マイル(約800m)離れているが、出走馬は馬場内を横切るのではなくコースをぐるりと回って発走ゲートにまで辿り着かなければならない。そのため、カービー騎手は花火の爆発音が"とてもうるさかった"と語った。

 本紙(レーシングポスト紙)のダービーの短評で、ナハーニは「発汗、遅いスタート、ゆっくりと駆け始めた」と表現されていた。昨年のダービーをアダイヤー(チャーリー・アップルビー厩舎)で制したカービー騎手は、発走前の打上げ花火が馬の競走能力に影響を与えたと述べた。

 「ナハーニは快く思っていませんでしたし、発馬機内でも落ち着きませんでした。興奮してゲート内であんなに騒ぐこともなかったでしょうし、発走時に滑ることもなかったでしょう。おそらく心の中でいつもと違うことが作用して、それが彼を緊張させたのでしょう」。

 「本当にうるさかったです。それが行われたときは、まったく馬鹿げたことをやっているなと考えていたのです。競馬のあとにやればいいのにと思いました。たぶんそれまで待つべきだったでしょう」。

 「あるいは、レース前にこういうことが行われると注意喚起してくれていたらいくらか助けになったかもしれませんが。何も知らず、ただ音が聞こえてきたのです。今にして思えば、余計なことをしたものです」。

 ナハーニはゴール手前でベストを尽くしたもののデザートクラウンの7着に終わった。カービー騎手は「彼は本当にいいレースをしたと思いました。発走時に滑っていなければ4着に入っていたんじゃないでしょうか」と語った。

 優勝馬デザートクラウンに騎乗したリチャード・キングスコート騎手も花火の音を聞いており、彼の馬がこのような事態に対処できる精神力を持ち合わせていて"幸運だった"と認めている。

 キングスコート騎手はTV番組『ラックオンサンデー』でこう語った。「そうですね。打上げ花火には気づきましたけど、目で見たわけではありません。デザートクラウンはそれに気づいていて、耳を立てていましたね。1完歩か2完歩はぎこちない足取りでした。幸運なことに、彼はとても冷静で、すべてをうまく受け入れました。ほかの馬のことはよく分かりませんが」。

 競馬場の厩舎で働くスタッフは馬が花火に動揺していたと報告しており、週末にはSNS上でこの決定が疑問視されていた。

 今年のダービーはエリザベス女王のプラチナジュビリーの公式行事の一環として開催された。女王は6月2日(木)の「トゥルーピング・ザ・カラー」のパレードで体に違和感を覚えたことからエプソムに来ることはできず、代わりにウィンザー城で自宅観戦することになった。

 この打上げ花火は、エプソム競馬場のオーナーであるジョッキークラブが手配しBHA(英国競馬統括機構)の認可を取ることは要請されていない。ジョッキークラブのスポークスマンはこう述べている。「ダービーは世界最高峰の平地レースであり、私たちはいつも特別な雰囲気を演出することを目標としています。発走前のショーは事前に徹底的にテストされており、参加者のことを考えてタイミングや場所も工夫されていました」。

 「しかし、あらゆる重要イベントについて常にその改善に尽力することの一環として評価を実施し、来年の計画プロセスにすべてフィードバックしたいと思います」。

By Peter Scargill 

[Racing Post 2022年6月5日「'It was a silly thing to do' - Adam Kirby critical of pre-Derby fireworks」]