海外競馬ニュース 2022年01月20日 - No.2 - 4
RoRホースパーソナリティ・オブ・ザ・イヤー賞の最終候補3頭が決定(イギリス)[その他]

 "競走馬の再調教(RoR)"は1月11日、「RoR ホースパーソナリティ・オブ・ザ・イヤー賞」の最終候補3頭を発表した。数々の記録を塗り替えるジョッキー、ホリー・ドイル騎手により選ばれた最終候補3頭のオーナーたちは、1月22日に名誉あるRoR授賞式(ジョッキークラブルームで開催)に出席する。そこでドイル騎手が最終的に選んだ受賞馬が、授賞式の司会者であるITVレーシングのフランチェスカ・クマーニ氏により発表される。

 今年で2年目となるこの賞は、新たなキャリアに転じて"優れたキャラクター"を発揮し、周囲の人々にポジティブな影響をもたらした元競走馬を称えるものである。

 この賞は大きな反響を呼んだ。200件を超える応募があり、元競走馬のオーナーから所有馬に関する多種多様の心温まる感動的なストーリーが寄せられた。

 審査員のホリー・ドイル氏は今年の最終候補を選ぶにあたりこう語った。「多くの素晴らしい応募の中から最終候補の3頭を選別するのはとても難しく、受賞馬を選ぶのはさらに難しかったです」。

 「元競走馬を所有することの素晴らしさを存分に伝える多くのストーリーを読むことができて嬉しく思います。最終候補となった3つのストーリーは、厳しい試練を乗り越えさせる動物と人間のユニークな結びつきと信頼関係を表現していると思います」。

 ドイル氏が選んだ最終候補3頭は以下のとおりである。

・ ワンペカン(One Pekan 11歳)

オーナー:ケリー・ハンフリーズさん(サフォーク州)

・ ダファーンシール(Daffern Seal 17歳)

オーナー:エスメ・フォスターさん(カーマーゼンシャー州)

・ アンリドボワストロン(Henri De Boistron 11歳)

オーナー:アナスタシア・チョマさん(ウォリックシャー州)

 ドイル氏はそれぞれのストーリーに心を奪われたと語った。

 「ワンペカンはケリーと特別な絆で結ばれ、想像を絶する悲しみにケリーが耐えぬくのを助けてきました。彼女は"彼がいなければ負けてしまっていたでしょう"と言います。ワンペカンは一癖ありますが、これらの素晴らしい馬のお手本となるような寛大で愛情ぶかい立派なキャラクターとして描かれています」。

 「ダファーンシールは身近な人々のあいだでディキシーという名で親しまれています。17歳のオーナー、エスメがほかの馬に蹴られるという恐ろしい事故に遭い顔に大きな傷を負ってから、ディキシーは彼女が馬に対する信頼を取り戻すのを助けました。馬と乗り手のあいだの信頼と勇気を描いた素晴らしいストーリーです」。

 「アンリドボワストロンも、2019年夏にがんと診断されたオーナーのアナスタシア・チョマさんの支えとなりました。彼女は化学療法を受けるあいだも競技会や募金活動でアンリに乗り続け、このコンビは乳がん啓発のために2,000ポンド(約31万円)以上を集めたのです」。

 2020年の第1回RoRホースパーソナリティ・オブ・ザ・イヤーには、 サラ・ピーコックさんのネッドコーザー(Ned Causer)が選ばれた。ネッドは"短命"だったレースキャリアで3回出走したが、サラが不安や鬱の発作を克服するのを助け"転身による効果"を発揮した。

 RoRのCEOダイ・アーバスノット氏は、この賞は人々に元競走馬を所有することの意味を熱く語らせると述べ、「この賞はユニークな個性と性格を持つ馬を表彰し、それらの馬が乗り手とはぐくむ特別な絆を紹介します」と語った。

 この賞は故ポール・メロン氏に敬意を表して贈られている。RoRは創設時に、慈善家でもあり1971年に英ダービーと凱旋門賞を制したミルリーフの馬主ポール・メロン氏の遺産を贈与されるという光栄に浴した。その遺産は、引退競走馬の幸福を促進するRoRを設立し資金提供をするのに不可欠だった。

 授賞式に先立ち、RoRは最終候補3頭にまつわる心温まるストーリーを紹介する。

(1ポンド=約155円)

[Retraining of Racehorses(RoR)2022年1月11日「Finalists announced for RoR Horse Personality of the Year award」]