海外競馬ニュース 2021年10月14日 - No.38 - 4
メゾンラフィット競馬場、競馬再開の可能性が浮上(フランス)[開催・運営]

 フランスギャロ(France Galop)は、メゾン-ラフィット市が競馬再開に向けて競馬場を750万ユーロ(約9億7,500万円)で購入するという提案を精査することを約束した。

 パリ中心地から北西に15㎞の位置にあるメゾンラフィット競馬場は2019年末、一般の人々に対して門を閉ざした。それは、地元の激しい反対にもかかわらずフランスギャロが実施した経費削減措置の1つだった。

 2000mの直線コースで名高いこの競馬場の開催日程の大半はシャンティイとドーヴィルに配分された。一方、フランスギャロは隣接する調教センターの設備改善と新規事業の誘致のために150万ユーロ(約1億9,500万円)を投資してきた。

 そしてこの土地に関心を持つ関係者に対して提案を出すように呼びかけられた。競馬再開を希望するグループにはグランドスタンドのアスベスト除去工事を実施することが条件とされる。

 提案を行うためにフランスギャロと緊密に連携してきたメゾン-ラフィット市議会は10月6日、競馬場購入のための入札を開始することを圧倒的多数で可決した。この750万ユーロのプロジェクトは、市の投資銀行からの融資により支援される予定である。

 メゾンラフィット競馬場がふたたび競馬を開催できるようになるまでにはまだ長い道のりがある。それでもコンピエーニュ競馬場やフォンテーヌブロー競馬場など、パリ地域の競馬組合が質の高い競馬を開催してきたという前例がある。

 メゾンラフィット競馬場は2019年10月28日の最終開催日まで、多くの重要なレースを施行してきた。その中には、英国とフランスのギニー競走優勝馬を送り出してきた鍵となるクラシックトライアル、ジェベル賞(G3 2021年はドーヴィルで施行)やアンプリューダンス賞(G3 2021年はドーヴィルで施行)、2歳シーズンのハイライトとなるロベールパパン賞(G2 2020年からシャンティイで施行)やクリテリウムドメゾンラフィット(G2 2020年からシャンティイで施行)などが含まれていた。

 メゾンラフィット競馬場は1996年の財政危機を乗り越えたが、そのときには代わりにエヴリー競馬場に斧が下された。しかしフランスギャロは2018年までには、収入に応じた経営を行っていることを政府に証明するために、所有競馬場を1つ減らさなければならないと決断していた。

 フランスギャロが市議会の可決を受けて出した公式発表にはこう記されている。

 「フランスギャロは、メゾンラフィット競馬場の未来のためのプロジェクトに関わる真剣で魅力的な提案を厳密に検討します」。

 「当然のことながら、所有権の譲渡に関する決定前には取締役会に提示され議論されることになります」。

By Scott Burton

(1ユーロ=約130円)

[Racing Post 2021年10月9日「Maisons-Laffitte lifeline emerges after local authority agrees to €7.5m bid」]