海外競馬ニュース 2021年10月14日 - No.38 - 2
英2000ギニー優勝馬ポエティックフレア、日本で種牡馬に(アイルランド・日本)[生産]

 ジム・ボルジャー調教師はポエティックフレア(父ドーンアプローチ)が日本の社台スタリオンステーションで種牡馬入りするというニュースを受けて、この馬を"私たちが馬に求めるすべてのものをもっていた"と称賛し、4歳も現役を続行させられないのは心残りだと話した。

 この英2000ギニー(G1)優勝馬は今シーズンに能力と安定性を見せ、8戦して3着内に入らなかったのは一度だけだった。それはセントマークスバシリカの6着に敗れた重馬場の仏2000ギニー(G1)だった。

 一方、この馬にとっての栄光の瞬間はセントジェームズパレスS(G1 ロイヤルアスコット開催)でラッキーベガを4¼馬身差で下して優勝し、レーシングポストレーティング(RPR)124を記録したときだ。

 ボルジャー調教師は競馬ジャーナリストのニック・ラック氏のポッドキャストで、彼の競走生活を終わらせて日本で種牡馬入りさせるという決断についてこう説明した。「もちろん、アイルランド、いずれにしても欧州で種牡馬入りすることを望んでいましたが、状況がそれを許さなかったのです。それで彼は日本に行かなければならないのです。ご存じのとおり、私は半商業的な事業を運営していますので、うまく切り盛りしていかなければならず、これはやむをえない売却だったのです」。

 「不本意ながら、付け加えておかなければなりません。競走馬としてのキャリアを4歳も続行できるように手掛けられた馬だと思うのですが、欧州では誰も4歳になる彼を求めていないようでした。そのため選択肢は1つしか残されておらず、それを取るしかなかったのです」。

 同調教師は、ポエティックフレアは競馬と生産のとても魅力的なビジョンを欧州において描くための主役になるべきだと信じていた。

 「この馬は誰にとっても、格別に魅力的な存在となるべきでした。競走で自らの価値を立証しました。それに外見、体格、気質、そして精神面でも優れていました。私たちが馬に求めるものすべてを持っていたのです。使い古された文句を使えば、もしすべての条件を満たした馬がいたとすれば、それは間違いなく彼なのです」。

 「わずかに物足りない結果に終わったのは唯一、馬場が得意な状態でなかったときでした。ロイヤルアスコット開催の後、少し遅きに失しましたが、彼が良馬場をすごく得意としていることに気づきました。彼が物足りないパフォーマンスをしたのは、馬場が良くなく時計がかかったときだったのです」。

 ラック氏に"彼が日本に行ってしまうのは寂しいですか?"と聞かれたとき、ボルジャー調教師はこう答えた。「あまり感傷的になるタイプではないのです。来年は現役を続行できないという観点や、彼を高く評価していた人たちが彼を種牡馬として使えなくなるという観点では、残念に思うでしょう。そういう意味では後悔するでしょうが、思い悩むようなことはありません」。

 ボルジャー調教師の自家生産馬であり、妻であるジャッキー氏の服色で出走していたポエティックフレアは、通算成績11戦5勝を挙げ、100万ポンド以上の賞金を獲得した。北海道では社台スタリオンステーションの種牡馬31頭の仲間入りを果たす。

By David Jennings

[Racing Post 2021年10月13日「He had everything' - Bolger tribute as Poetic Flare retires to stud in Japan」]