海外競馬ニュース 2021年06月10日 - No.21 - 3
エッセンシャルクオリティがベルモントS優勝(アメリカ)[その他]

 ゴドルフィンは6月5日(土)、英ダービー(G1 エプソム)でアダイヤーが優勝した数時間後、エッセンシャルクオリティが総賞金150万ドル(約1億6,500万円)のベルモントS(G1 ベルモントパーク)を制したことで、世界を股にかけたセンセーショナルなクラシック2勝を達成した。

 ケンタッキーダービー(G1)で1番人気に推されていたものの4着に終わったエッセンシャルクオリティは、ベルモントSも1番人気(単勝1.3倍)で臨んだ。そして最終コーナーを回っているときに、ホットロッドチャーリーとスリリングな一騎打ちを始めた。

 2頭は直線で競り合い、ルイス・サエズ騎手を背にエッセンシャルクオリティが1¼馬身差をつけて優勝し、ブラッド・コックス調教師に三冠競走初勝利をもたらした。プリークネスS(G1)を制したロンバウアーは2頭から11馬身引き離されて3着となった。

 コックス調教師は「これは信じられません。まさにクラシックの醍醐味だと思います。もちろん初めての経験です。信じられません」と述べ、少し立ち止まって電話で妻のリヴィアに「おめでとう、愛してるよ」と伝えた。

 メディーナスピリットが失格になれば、ケンタッキーダービー2着馬マンダルーン(Mandaloun)が繰上げ優勝となり自身にとっての二冠を達成する可能性もあるコックス調教師はこう続けた。「救済のようなものだと言うことができると思いますよ。今のところ、エッセンシャルクオリティは最強の3歳馬だと考えます。とてつもなく素晴らしいレースでした」。

 ゴドルフィンの自家生産馬エッセンシャルクオリティ(父タピット)は、ブリーダーズフューチュリティS(G1)とBCジュベナイル(G1)を制して最優秀2歳牡馬に選出された。なお、BCジュベナイルでもホットロッドチャーリーが2着となっていた。

 勝利ジョッキーのサエズ騎手も三冠競走優勝は初めてであり、2014年に落馬事故で亡くなった弟フアンに今回の勝利を捧げた。

 「これまでたくさんの馬に乗ってきましたが、エッセンシャルクオリティの長所はいつも闘志を抱いているところです。相手がどんな馬であろうと倒したいと思っているんです。だから直線入口で、彼は飛び出してくれるだろうと分かっていました」。

 この日G1・8レースが施行されたベルモント開催では、ジャストアゲームS(G1)においてアルシカがゴール板を先頭で駆け抜けて、英ダービー優勝トレーナーとゴドルフィンのために、サマーロマンスとのワンツーフィニッシュを決め、チャーリー・アップルビー調教師の華々しい一日を引き延ばした。アルシカにはマイク・スミス騎手、サマーロマンスにはサエズ騎手が騎乗していた。

 他のG1を制したのは、ドレインザクロック(ウッディスティーヴンスS)、サーチリザルツ(エイコーンS)、カサクリード(ジャイプールS)、ツトゥルースカ(オグデンフィップスS)、シルバーステート(メトロポリタンH)、ドメスティックスペンディング(マンハッタンS)である。

By Sam Hendry

(1ドル=約110円) 

[Racing Post 2021年6月6日「Godolphin strike again as Essential Quality romps home in Belmont Stakes」]