海外競馬ニュース 2020年03月05日 - No.9 - 2
マイク・スミス騎手、鞭使用回数超過により超高額の過怠金(サウジアラビア)[その他]

 米国のトップジョッキー、マイク・スミス騎手は、2月29日(土)のサウジカップ[総賞金2,000万ドル(約22億円)]においてミッドナイトビズー(Midnight Bisou 牝5歳)でマキシマムセキュリティ(Maximum Security 牡4歳)の2着に入った。しかし、鞭の使用回数が規定を超過したことで、9日間の騎乗停止処分と超高額の過怠金を科された。

 すべての騎手は賞金の10%を受け取ったが、スミス騎手は世界最高賞金レースの2着賞金350万ドル(約3億8,500万円)からの進上金(10%)のうち60%、すなわち20万ドル(約2,200万円)以上を没収される。

 スミス騎手は、鞭を規定の10回を超える14回使用したことで8日間、そして馬の完歩のタイミングに関係なく鞭を入れたことでさらに1日の騎乗停止処分を受けた。

 サウジアラビア・ジョッキークラブ(Jockey Club of Saudi Arabia)の有給裁決委員であるフィル・タック(Phil Tuck)氏はこう語った。「マイクを含むすべてのジョッキーは金曜日と土曜日に説明を受け、関連するルールと罰則について注意喚起されていました」。

 「騎手は到着前に、全ての関連ルールの指針をEメールで通知されており、そのコピーはジョッキールームに貼られていました。私たちが馬の福祉を重視していることは、すべての騎手に知らされていました」。

 殿堂入りジョッキーのスミス騎手は、第5レースの後の検量を忘れたことですでに2日間の騎乗停止処分を受けており、その夜は不満がたまるものとなった。

 サウジカップにおいてミッドナイトビズー(スティーヴン・アスムッセン厩舎)は、レース前半は馬群の後方につけていたが、ホームストレッチでは内側を走って仕掛けて行った。

 同馬はマキシマムセキュリティをとらえるために接近しようとしたが、マキシマムセキュリティはルイス・サイズ騎手を背にゴールに向かって走り続け¾馬身差の勝利を決めた。

 世界中のビッグレースを制してきたことで"ビッグ・マネー・マイク(Big Money Mike)"と呼ばれるスミス騎手は、前日のSTCインターナショナルジョッキーズチャレンジで4戦2勝を果たして優勝し、ボーナス3万ドル(約330万円)を手に入れていた。

 カリフォルニア州競馬委員会(CHRB)は、スミス騎手への11日間にわたる騎乗停止処分が相互適用されたことを認めた。

 裁決委員に厳しい制裁を科されたジョッキーはスミス騎手だけではない。イラッド・オルティス騎手も金曜日の第8レースで鞭の使用回数が規定を超過したために8日間の騎乗停止処分を受けた。さらに、サウジカップにおいても同じ違反を犯してその処分は2日間延ばされ、進上金の10%の過怠金を科された。

 オイシン・マーフィー騎手はディアドラに騎乗した際に鞭使用回数が規定を超過して2日間の騎乗停止処分を受けたが、その処分がドバイのスーパーサタデー(3月7日)に科されることを回避できた。BHA(英国競馬統括機構)からの承認次第だが、同騎手には3月6日と13日にその処分が科されるだろう。

By Jonathan Harding and Andrew Dietz

(1ドル=約110円)

[Racing Post 2020年3月1日「Mike Smith fined more than $200,000 for Saudi Cup ride」]