海外競馬ニュース 2020年02月20日 - No.7 - 3
レバミゾールの陽性反応による失格馬が続出(アメリカ)[獣医・診療]

 またしても2頭の馬がレバミゾール(levamisole)の陽性反応を示した。そのため、これら2頭は1月にフェアグラウンズ競馬場で勝利を挙げていたが失格となったと、デイリーレーシングフォーム紙が2月15日に伝えている。

 失格となったのは、1月18日のルイジアナS(G3)で勝利を収めたシルバーダスト(Silver Dust)および同日のクレーミング競走を制したブラックベリーワイン(Blackberry Wine)である。2頭は2月15日もフェアグランズ競馬場のレースに出走していた。シルバーダストはマインシャフトS(G3)で優勝し、ブラックベリーワインはリズンスターS(G2)div.1で速いペースで走ったものの7着に終わった。

 シルバーダストを管理するブレット・カルフーン(Bret Calhoun)調教師と、ブラックベリーワインを管理するジョー・シャープ(Joe Sharp)調教師は2月14日、陽性反応が出たことを裁決委員から通知された。そして、これらの馬が2月15日のレースで出走取消とならないように1,000ドル(約11万円)を支払うことに合意していた。いずれの馬も1月のレースでは最下位として扱われることになった。

 ブラックベリーワインはフェアグラウンズ開催においてレバミゾールの陽性反応を示した9頭目のシャープ厩舎所属馬となった。12月1日~28日のレースでの優勝馬7頭と2着馬1頭がすでに失格となっている

 市販の家畜用駆虫剤に含まれるレバミゾールは、北中米競馬委員会協会(Association of Racing Commissioners International:ARCI)により「クラス(2)B禁止薬物」に分類されている。ARCIによると、「クラス(2)禁止薬物」は馬の競走能力に影響を与える可能性がある。

 シャープ調教師は本誌(ブラッドホース誌)に対し、11月中旬に初めて使用し始めた駆虫剤にレバミゾールが含まれていたと述べた。そして、多頭数が陽性反応を示したのは、検査結果の待ち時間が長かったことと、禁止薬物に対してゼロ・トレランス主義(zero tolerance: 0以外は陽性)をとっている州において馬体内から薬物が完全消滅していることがなかなか確認されなかったことによるものだとし、こう語った。

 「昨年の12月12日に駆虫剤にレバミゾールが含まれていることを知り、すぐに厩舎からその駆虫剤を取り除きました。この駆虫剤を使用していた馬の多くを検査馬房に移し、その駆虫剤を一切使いませんでした。それでも、馬体内にレバミゾールは残留し続けました」。

 同調教師は、1月に駆虫剤が馬体内からなかなか消滅しないことから、「陰性となったことを確かめるために、自分たちで各馬に対して採血を行いました。フォローアップ検査として実施しました」と語った。

 そして、「私たちは駆虫剤にレバミゾールが含まれていることを全く知りませんでした。意図的なものではなく単純なミスです。幸い馬主は、これをただの悪夢ととらえ、とても我慢強く待ってくれています」と付言した。

By Blood-Horse Staff

(1ドル=約110円)

[bloodhorse.com 2020年2月16日「Additional Horses DQ'd After Levamisole Positives」]