海外競馬ニュース 2020年01月30日 - No.4 - 1
2019年の年度代表馬にブリックスアンドモルタル選出(アメリカ)[その他]

 全米サラブレッド競馬協会(NTRA)・デイリーレーシングフォーム紙(Daily Racing Form)・全米競馬記者協会(NTWAB)は、第49回エクリプス賞授賞式(ガルフストリームパーク競馬場)において、2019年の年度代表馬にシーズン6戦全勝を挙げたブリックスアンドモルタル(Bricks and Mortar)が選出されたと発表した。

 ブリックスアンドモルタル(父ジャイアンツコーズウェイ)は5歳で挑んだ2019年シーズンで、1月に総賞金700万ドル(約7億7,000万円)のペガサスワールドカップターフ(G1)で優勝したのを皮切りに、ターフクラシックS(G1)、マンハッタンS(G1)、アーリントンミリオン(G1)を制して傑出した芝牡馬としての地位を着実に築き上げ、11月にはBCターフ(G1)で頂点を極めた。

 馬主であるクララヴィッチステーブル(Klaravich Stables)のセス・クラーマン(Seth Klarman)氏は、「競馬は本当に病みつきになってしまいますね。愛すべきスポーツです。まさかこんな賞が貰えるとは思いもしませんでした。一生に一度の名誉であり、感激しています」と語った。

 ブリックスアンドモルタルは、この最も栄誉ある賞を獲得したことに加えて、満場一致で最優秀芝牡馬に選出された。

 また、同馬の関係者はそれぞれの部門でエクリプス賞を受賞した。チャド・ブラウン調教師は4年連続で最優秀調教師に輝き、クララヴィッチステーブルとウィリアム・H・ローレンス(William H. Lawrence)氏は最優秀馬主に選ばれた。2019年の全レースでブリックスアンドモルタルとコンビを組んだイラッド・オルティス(Irad Ortiz Jr.)騎手は2年連続で最優秀騎手に、同馬を生産したジョージ・ストローブリッジJr(George Strawbridge Jr.)氏は最優秀生産者に選出された。

 波乱万丈のシーズンを送ったマキシマムセキュリティ(Maximum Security父ニューイヤーズデー)は、最終的に最優秀3歳牡馬に選出されるという栄誉に浴した。ジェイソン・サーヴィス(Jason Servis)調教師が手がける同馬は、初めての重賞挑戦となった3月30日のフロリダダービー(G1)で道中ずっと先行して3½馬身差の勝利を収めた。続くケンタッキーダービー(G1)でも先頭でゴールを駆け抜けたが、22分間に及ぶ長い審議の末、走行妨害により17着に降着となる。その結果、2着のカントリーハウス(Country House)が繰り上がって薔薇のレイを手に入れた。

 不名誉な敗戦を喫したものの、シーズン後半の成績を見ればマキシマムセキュリティの能力に疑いの余地はない。同馬はその後ハスケル招待ステークス(G1)を制し、古馬を相手にボールドルーラーH(G3)とシガーマイルH(G1)でも優勝した。

 ミトーリ(Mitole)は、発揮しきれていなかった優れた才能を2019年に開花させた。競馬の殿堂入りを果たしているスティーブ・アスムッセン調教師のもとでシーズン6勝(うちG1・4勝)を達成した。BCスプリント(G1)で華麗な勝利を挙げ、そのキャリアのクライマックスを飾った。

 LNJフォックスウッズ社(LNJ Foxwoods)所有のコヴフィフィ(Covfefe 父イントゥミスチーフ)は、最優秀3歳牝馬と最優秀短距離牝馬に選出された。ブラッド・コックス(Brad Cox)調教師のもとで、コヴフィフィは6戦5勝の成績を収め、BCフィリー&メアスプリント(G1)で優勝してシーズンを終えた。

 優れた成績を残したもう1頭の牝馬は、ミッドナイトビズー(Midnight Bisou)である。4歳で挑んだ2019年シーズンは、G1・3勝を含む7連勝を達成し、最優秀ダート牝馬に選出された。

 最優秀ダート牡馬のヴィーノロッソ(Vino Rosso 父カーリン)は、ゴールドカップアットサンタアニタS(G1)とBCクラシック(G1)を制し、馬主(リポールステーブル、セントエリアスステーブル)と同馬を手がけるトッド・プレッチャー調教師に栄誉をもたらした。

 最優秀2歳牝馬に選ばれたのはブリティッシュイディオム(British Idiom)で、コックス調教師の管理馬が2頭受賞したことになる。同馬はアルシバイアディーズS(G1)とBCジュベナイルフィリーズ(G1)で勝利を挙げるなど、シーズン3戦3勝を誇った。

 最優秀2歳牡馬は、ピーター・アートン(Peter Eurton)調教師が手がけ、BCジュベナイル(G1)を制したストームザコート(Storm the Court)が選出されている。

 エクリプス賞は、NTRA・デイリーレーシングフォーム紙・NTWABのメンバーの投票によって決定される。2019年度は投票権を持つ254名のうち、241名(94.88%)が参加した。各カテゴリーの最終候補馬は投票者が選んだトップ3にそれぞれ10点/5点/1点を付与しその合計点数によって決定された。そして決選投票で投票者は各部門に1票を投じ、受賞馬/受賞者はその得票数によって決定された。

2019年エクリプス賞受賞馬/受賞者

年度代表馬:ブリックスアンドモルタル

最優秀2歳牡馬:ストームザコート

最優秀2歳牝馬:ブリティッシュイディオム

最優秀3歳牡馬:マキシマムセキュリティ

最優秀3歳牝馬:コヴフィフィ

最優秀ダート牡馬:ヴィーノロッソ

最優秀ダート牝馬:ミッドナイトビズー

最優秀短距離牡馬:ミトーリ

最優秀短距離牝馬:コヴフィフィ

最優秀芝牡馬:ブリックスアンドモルタル

最優秀芝牝馬:ユニ (Uni)

最優秀障害馬:ウィンストンシー (Winston C)

最優秀馬主:クララヴィッチステーブル、ウィリアム・H・ローレンス氏

最優秀生産者:ジョージ・ストローブリッジJr氏

最優秀騎手:イラッド・オルティス氏

最優秀見習騎手:木村 和士 氏

最優秀調教師:チャド・ブラウン氏

最優秀見習騎手に選出された木村 和士騎手の成績(2019年)

871戦148勝(2着134回 3着117回)

総獲得賞金額:474万6,556ドル(約5億2,212万円)

By NTRA Press Release

(1ドル=約110円)

[NTRA Press Release 2020年1月23日「Bricks and Mortar Voted 2019 Runhappy Horse of the Year」]