海外競馬ニュース 2020年10月01日 - No.38 - 3
ウェザビーズEパスポート、2021年に起動(イギリス・アイルランド)[生産]

 ウェザビーズEパスポート(Weatherbys E-Passport)が2021年に英国とアイルランドのサラブレッド市場で起動する。それにより、馬の個体情報・健康・福祉・移動・所有権に関するすべての法的必要条件を管理する確実な基盤が形成される。

 ウェザビーズEパスポートのいくつかのエレメントはすでに、ウェザビーズ予防接種アプリ(Weatherbys Vaccination App)として英国とアイルランドで利用されている。この技術は、繁殖シーズン中のサラブレッドの移動を追跡するのに役立つ。

 9月中旬の国際馬スポーツ連盟(International Horse Sport Confederation:IHSC)によるデジタルパスポートに関する発表に対応して、このアプリには種牡馬・繁殖牝馬・仔馬の登録情報、競走前・競走後の予防接種と薬物使用履歴、最新の所有者情報、完全な個体情報が含まれる。

 ホースレーシングアイルランド(HRI)のCEOブライアン・カヴァナー氏はこう語った。「HRIがアイルランド競馬監理委員会(IHRB)と連動してウェザビーズEパスポートを利用して行っている取組みは、予防接種状況を事前承認するにあたり非常に有益です。私たちは、Eパスポートが今後アイルランド競馬界の福祉&トレーサビリティ戦略の中心になると見なしています」。

 サラブレッド生産者協会(TBA)のCEOクレア・シェパード(Claire Sheppard)氏はこう続けた。「私たちは多くのプロジェクトで、ウェザビーズ社と大変親密に取り組んでいます。ウェザビーズEパスポートは、サラブレッドの個体情報・トレーサビリティ・健康と福祉の点で恩恵があることから、それら多くのプロジェクトの核となっています」。

 「このアプリの馬の移動に関するエレメントは、新型コロナウイルス感染拡大の初期において必要不可欠でした。なぜなら、繁殖シーズン中のサラブレッドの移動を追跡するために使われていたからです」。

 BHA(英国競馬統括機構)の馬健康・福祉担当理事のデヴィッド・サイクス(David Sykes)氏はこう語った。「ウェザビーズ予防接種アプリの導入は6月1日のレース再開を可能にする手続きにおいて重要な役割を果たしました。このアプリはウイルスの世界的流行中に競馬が無観客で再開された際に、パスポートおよびパスポートデータを扱う人々に、効率性の改善とより高い安全性をもたらしました」。

By Kitty Trice

 (関連記事)海外競馬ニュース 2020年No.37「英国のEU離脱後に国境を越える馬のためのデジタルパスポート(欧州)

[Racing Post 2020年9月25日「Weatherbys E-Passport set to go live for British and Irish markets in 2021」]