海外競馬ニュース 2020年09月17日 - No.36 - 4
ストラディバリウス、フォワ賞で敗れるも目標は凱旋門賞(フランス)[その他]

 ストラディバリウス(Stradivarius 牡6歳)は戦略に富んだフォワ賞(G2 9月13日 ロンシャン)で、アンソニーヴァンダイク(Anthony Van Dyck 牡4歳)にあと少しのところで追いつけずに敗れたが、変わらず10月4日の凱旋門賞(G1)を目標とする。

 ジョン・ゴスデン調教師と馬主のビョルン・ニールセン(Bjorn Nielsen)氏は、凱旋門賞はストラディバリウスの走りやすいペースで展開すると推論し、最強ステイヤーの敗北を評価するのに実践的な見方をした。同馬は、ゴールドカップ(G1)3連覇とグッドウッドカップ(G1)4連覇を達成している。

 ストラディバリウスが凱旋門賞で同じ厩舎のエネイブルと対戦する可能性はまだある。ストラディバリウスの凱旋門賞の単勝オッズは15倍から17倍になったが、ゴスデン調教師は同馬が初めての海外遠征にうまく対処したことに満足していた。

 「トライアルとしてはよく走ったと思いますし、これまでで一番過酷なレースというわけでもなく、うまく走り切ったので満足しました。ちょうど良いトライアルとなり、ゴールの仕方が上々でした。それゆえ、凱旋門賞のためにロンシャンに戻ってくることに何の躊躇もありません」。

 「ストラディバリウスは海外遠征が初めてですので、主として、輸送、コースの感触をつかむこと、どのようにすべてに対処するかを確かめるためのトライアルでした。彼は少し目立ちたがり屋で、パドックでは子供っぽい面を見せたのですが、それがまさしく本来の彼だったので、全体的に調子が良いと感じました。私の考えでは、トライアルとして素晴らしい走りをしました」。

 単勝1.6倍の1番人気でフォワ賞に臨んだストラディバリウスは、ミカエル・バルザローナ騎手を背に道中規則正しく走っていた先行馬アンソニーヴァンダイクのすぐ後ろにつけていた。そしてバルザローナ騎手は直線入口で昨年の英ダービー馬アンソニーヴァンダイクにストライドを伸ばして走るように指示し、馬はそれに意欲的に応えた。

 フランキー・デットーリ騎手はそれに対抗し、ストラディバリウスを先行馬と並ばせてしばらく競り合った。しかし位置取りが良くなく最高潮に達するまでにあと数秒が必要だったために、アンソニーヴァンダイクを抜かすことができず、わずか短首差で敗れた。

 ニールセン氏は結果に落胆していなかった。「彼らはリハーサルをしました。フランキーは勝てたはずだったと言いましたが、なるようにしかなりません。最後はスピード勝負となり短首差で敗れましたが、素晴らしいトライアルでした。しかし、ジョンがどう考えているか聞かなければなりません」。

 「今日のストラディバリウスの走りっぷりを見て、凱旋門賞を目標から外すことはないでしょう。凱旋門賞は彼に合うペースで展開すると思います」。

 エイダン・オブライエン調教師は、アンソニーヴァンダイクがフォワ賞を勝つ前に、同馬の目標はより遠いところにあると述べていた。豪州のコーフィールドカップ(G1)やコックスプレート(G1)を次のターゲットとして検討中である。

 バルザローナ騎手はアンソニーヴァンダイクのパフォーマンスを称賛した。「あまりペースが速くなかったので、逃げることにしました。単調なペースで、彼は急に追い込むタイプの馬ではないので、早めに加速しました」。

 「ストラディバリウスが迫ってきたとき、私の馬の反応は素晴らしいものでした。私が考えていた以上のスピードを秘めていたようです」。

By Peter Scargill

[Racing Post 2020年9月13日「Nielsen 'not put off' for Arc as Anthony Van Dyck downs Stradivarius in Prix Foy」]