海外競馬ニュース 2020年06月11日 - No.23 - 3
今年のダンテSは英ダービーの後に施行(イギリス)[開催・運営]

 混乱に満ちた2020年競馬シーズンにおいて、またもや新たな驚きがもたらされた。BHA(英国競馬統括機構)が6月9日、英ダービー(G1)と英オークス(G1)のトライアル競走であるダンテS(G2)とムシドラS(G3)を両クラシック競走の後に開催することを発表したのだ。

 3歳限定のダンテSとムシドラSは、従来どおりヨーク競馬場で施行される。ただしその日程は、エプソムの英ダービー&英オークス開催日の5日後の7月9日であり、ニューマーケットのジュライフェスティバル初日と重なる。

 これら2レースはITVレーシングにより放映される予定。ITVレーシングは、無観客で行われたギニー競走フェスティバル(ニューマーケット 6月4日~7日)で高視聴率を獲得したと発表している。

 BHAの国際競馬・競馬発展担当理事であるルース・クイン(Ruth Quinn)氏はこう語った。「これまでにない状況のために、若くて経験の浅い馬が、従来であればダンテSやムシドラSのようなレースで得られるような出走機会を失っています。今年のこれらのレースはある意味では、トライアルではなく独立した3歳限定戦であるキングエドワード7世S(G2)やリブルスデールS(G2)のような役割を果たすのかもしれません。一方、キングエドワード7世SとリブルスデールSは今年、英ダービーと英オークスに向けた準備レースとして使われるでしょう(訳注:いずれも6月16日に施行予定)」。

 新型コロナウイルス感染拡大により、英国で3月18日~5月31日に競馬が中止になったために施行できなかった多くの重賞・リステッド競走が、7月の競馬番組に改めて組み込まれている。

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 クイン氏は、競走馬関係者が出走計画を立てやすくするために、8月の競馬番組は6月末までに発表すると述べた。サー・マーク・プレスコット調教師は本紙(レーシングポスト紙)のインタビューで、前もって出走計画を立てられないことには"ひそかに苛立っている"と述べていた。

 BHAは競馬関係者に向けた6月9日付の最新情報において、見習騎手に関する制限を解除することと出走可能頭数の上限を引き上げることについて説明した。

 5ポンド(2.3kg)の減量特典のある見習騎手は6月15日(月)から、7ポンド(3.2kg)の減量特典のある見習騎手は6月22日(月)から騎乗を再開できる。障害競走で騎乗できる騎手についての基準は、今週中に決定され発表される。

 また6月15日(月)から、出走可能頭数は12頭から14頭に引き上げられる。ただし、ハンデキャップ競走については従来の出走可能頭数に戻されるか、各競馬場により出走可能頭数が定められる。

By Peter Scargill

[Racing Post 2020年6月9日「Surprise twist in race plans as Dante and Musidora are scheduled for July」]