海外競馬ニュース 2020年04月23日 - No.16 - 3
2020年コックスプレート、海外からの遠征馬なしで開催予定(オーストラリア)[開催・運営]

 ムーニーバレー競馬場のCEOマイケル・ブローウェル(Michael Browell)氏は、2020年コックスプレート(G1)の出走馬が豪州調教馬だけになったとしても甘んじて受け入れるが、海外からの遠征馬を迎える希望を捨てたわけではないと語った。

 また同氏は、現在世界中が不安定になっているものの同レースが予定どおり10月24日(土)に開催されることを認めた。

 新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限のため、世界中でサラブレッドの輸送は困難になっており、外国馬を豪州に入国させるのはほぼ不可能となっている。

 しかしブローウェル氏は、海外からの遠征馬をコックスプレートに迎えるという望みをまだ捨てていない。今年の第100回コックスプレートがどのようなものになるかを見極めるために、予備登録日である7月16日は重要な日となる。

 2019年コックスプレートの予備登録日には、前年のほぼ倍である17頭の海外調教馬が登録した。

 ブローウェル氏は、「海外調教馬の不在はこのレースにとって痛手となりますか?」と聞かれ、「全く残念ではないと言うつもりはありません」と答えてこう続けた。

 「コックスプレートの歴史は、豪州・ニュージーランド調教馬の参戦が基礎となっています。海外調教馬の参戦は比較的最近のことで、この偉大なレースをさらに層が厚いものにしたのは確かです」。

 「現時点では、使える手を使うしかありません。誰にとっても制御不可能な状況であり、この状況の中で精いっぱいやりぬきます」。

 「海外からの遠征馬を迎えることについては、一切の望みを捨てたわけではありません。ただ明らかなことは、その予定を組む時期はレース開催日よりも間近に迫りつつあります」。

 「競走馬の関係者たちは、6月か7月に下半期の計画を立てたいと考えているでしょう。私たちは依然として、今年のコックスプレートに迎えたいと思う海外の調教師・馬主と話し合いを続けています」。

 2019年コックスプレートでは、エイダン・オブライエン厩舎のマジックワンド(Magic Wand)が、日本の優良牝馬リスグラシューの4着となった。

 またオブライエン調教師は、2014年にアデレード(Adelaide)がライアン・ムーア騎手を背にコックスプレートを制したとき、豪州G1初制覇を達成している。

 ウィンクスが4連覇を達成した2018年コックスプレートでは、ベンバトル(Benbatlサイード・ビン・スルール厩舎)が最後の直線でウィンクスに粘り強く食い下がって2着となった。2015年コックスプレートでは、ハイランドリール(Highland Reel オブライエン厩舎)が懸命に走ったがウィンクスの3着に敗れた。

 ブローウェル氏は、海外調教馬が豪州に来ることになるならば、現在求められている渡航に関する規制を免除するか、あるいはそれらを変更する必要があるとし、こう語った。

 「繰返しになりますが、当局からの助言を聞けば、国際間の移動やインバウンドの制限の緩和は一番最後になりそうなことの1つと考えられます。このウイルスがどのように世界中に蔓延したかを思えばなおさらです」。

 「現在様々な規制がある中でうまくやれるかどうかは別にしても、たとえば、一流の日本馬を招待するならば、調教師・騎手・厩舎スタッフ・調教助手などの関係者は馬が入国する14日前にメルボルンに到着していなければなりません」。

 「それから馬が到着できたとしても、検疫が行わるウェリビーでどのような制約があるか理解しておかなければなりません」。

 またブローウェル氏は、今年のコックスプレートが無観客で開催される可能性が高いことを認めている。

 自宅で観戦する人々のために、コックスプレートを臨場感に富む壮大なテレビショーにすることに現在注意が向けられていると、同氏は述べた。ナイターにすることも選択肢の1つだ。

 ブローウェル氏はこう付言した。「コックスプレートを土曜日20時30分発走の夜間レースにすればどのようなものになるか。話し合う価値はあります。チャンネルセブン(Channel Seven)やレーシングコム社(Racing.com)との会議では、場内に観客がいないためにテレビ向けのイベントになるのではないかと話しています。コックスプレートの100年間の素晴らしい歴史を詰め込んだ夢のような3~4時間のテレビ放映を制作できるようにしなければなりません」。

By Paul Tatnell & Ryan Reynolds / Racing.com

[Racing Post 4月20日「Moonee Valley chief happy to consider running 2020 Cox Plate without Europeans」]