海外競馬ニュース 2019年12月12日 - No.48 - 1
香港国際競走、デモの影響で入場者数は大幅減少も発売金はアップ(香港)[開催・運営]

 香港国際競走デー(シャティン競馬場)の入場者数は、香港民主化デモの影響により昨年の9万6,388人から71%減少し2万7,965人となった。

 それでも近ごろテニスとスヌーカー(ビリヤードの一種)の香港オープンが社会不安のために延期・中止に追い込まれたことを踏まえれば、香港ジョッキークラブ(HKJC)は香港国際競走デーを無事に施行するためにかなり尽力した。

 観客が著しく減少したにもかかわらず、この日の香港賭事プールの発売金は、とてつもなく多い17億1,000万香港ドル(約239億4,000万円)に達した[昨年より1,000万ポンド(約14億円)増加]。

 ハッピーバレー競馬場も香港国際競走デー(全10レース)の場外馬券発売のために開場し、3,000人もの競馬ファンが訪れた。今年の香港国際競走は、日本調教馬がG1・4レース中3レースを制して圧倒的な強さを見せた。

 香港国際競走が開催されているときに、ビクトリアパークを出発点とするデモ行進が行われていた。HKJCの競走担当理事であるウィリアム・ネーダー(William Nader)氏は12月6日、本紙(レーシングポスト紙)に対し、シャティン競馬場の観衆はこのデモにより大きな影響を受けるだろうと述べていた。

 HKJCのCEOウィンフリード・エンゲルブレヒト-ブレスケス(Winfried Engelbrecht-Bresges)氏はこう語った。「私たちは発売金増加を何よりも喜んでおり、これほどの好成績を予期していませんでした」。

 「発売金増加の大半は順調な共同賭事プールからもたらされました。共同賭事プールの総額が大きく、公正でエキサイティングな香港競馬を、世界中で提供できるようにするグローバル化戦略が功を奏しているということです」。

 「本日は発売金増加だけではなく、スポーツとしての競馬、香港競馬の活力、HKJCの卓越性を目の当たりにしました。祝福すべき日となりました。なぜなら、多くの難題にもかかわらず、世界中のほとんどの組織が成しえないようなことを達成できたからです」。

 「私たちが目にしたレースの質と興奮は、香港競馬の全てを示しています。それは世界最高級の競馬であり、私たちにユニークな価値をもたらしてくれます」。


By David Jennings

(1香港ドル=約14円、1ポンド=約140円)


[Racing Post 2019年12月8日「Hong Kong demonstrations contribute to expected decrease in Sha Tin attendance」]