海外競馬ニュース 2017年02月02日 - No.5 - 3
ロイヤルアスコット開催、馬場内に新しい特別観覧エリアを設置(イギリス)[開催・運営]

 2017年6月20日~24日に施行されるロイヤルアスコット開催のうち22日~24日に、新しい特別観覧エリアが設置されることが決まった。世界一有名なアスコット競馬場は、「新しい特別観覧エリアはさまざまな要素を取り込み、くつろいだ雰囲気で、しかも洗練されたものになるだろう」と、大胆な予告をしている。

 実際、それはただの特別観覧エリアではなく、ヴィレッジ(村)である。

 最も格式高いロイヤル・エンクロージャーの厳格なドレスコードには従いたくはないが、クイーンアン・エンクロージャーには人が多すぎると感じる人々にとって、ヴィレッジ・エンクロージャーはもう1つの選択肢を提供する。これにより、かつてモノクロの時代に活動の中心地であった競馬場の真ん中に、再び大変な活気が取り戻されそうだ。

 ヴィレッジ・エンクロージャーのチケットは、6月22日(木)と24日(土)は63ポンド(約8,820円)、6月23日(金)は60ポンド(約8,400円)で予約できる。

 クイーンアン・エンクロージャー(旧グランドスタンド)よりも安価だが、ウィンザー・エンクロージャー(以前はシルバーリングとして知られていた)よりも高価である。しかし、ドレスコードはクイーンアン・エンクロージャーと同じであり、男女問わず肩紐のない服装や腹部が見える服装は禁じられている。

 アスコット競馬場のニック・スミス(Nick Smith)氏はこう語った。「私たちはこの数年間、来場者の競馬場での体験を向上させるために取り組んできました」。

 「観客数をうまく管理し、さまざまな価格帯のチケットを提供することが重要です。しばらく前から、"クイーンアン"と"ウィンザー"の間のクラスの特別観覧エリアに需要があるのではないかと考えてきました。しかし、今年はヴィレッジ・エンクロージャーを3日間しか提供しません。景観の点から、良い雰囲気を作りたいので、比較的少人数の観客のためにエンクロージャーを設けたいとは思いません」。

 たとえヴィレッジ・エンクロージャーが1日に5,000人前後の観客を引き付けたとしても、他のエンクロージャーの収容人数が減らされるので、アスコット競馬場の全体の入場者数は劇的には増えないだろう。

 馬場内には、最も手頃な価格のヒース・エンクロージャーがあるが、真ん中に位置する最高の特別観覧エリアは間違いなくヴィレッジ・エンクロージャーであり、レースや王族の行進を最も近くて眺めの良い地点から見ることができる。

 ヴィレッジ・エンクロージャーの宣伝文句は、「特別な、しかし紛れもなくロイヤルアスコット開催であり、しかも、独特のスタイルとテンポで楽しめる」とされている。

 英国競馬界はもうすぐ1つの競馬場を失うかもしれないが、1つのヴィレッジを得ることになる。

By Lee Mottershead

(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2017年1月19日「Ascot set to make the infield a place to be with launch of Village」]