海外競馬ニュース 2016年03月10日 - No.10 - 2
ジェベルハッタ(G1)とアルマクトゥームチャレンジR3(G1)の結果(ドバイ)[その他]

ジェベルハッタ(G1・芝1800m 3歳以上 3月5日メイダン競馬場)


 トリスター(Tryster 5歳)はまたしても圧倒的な末脚を爆発させ、メイダン競馬場の芝競走での無敗を守り、初めてのG1優勝を果たした。

 トリスター(チャーリー・アップルビー厩舎)は昨シーズン、イースタークラシックを含むオールウェザー競走で5連勝を果たし、大きな成長を遂げた。この冬、同馬はドバイに移動してドバイでのデビュー戦となるG3競走を制した。そして今回、G1初勝利を果たし通算成績を12戦9勝に伸ばした。

 鞍上のウィリアム・ビュイック(William Buick)騎手は、レース前半にエルティジャール(Ertijaal)が先行している間ずっと後方に控え、最後の直線入り口で馬群が広がったときに追い始めた。

 トリスターはギアを変えて、最終的に余裕の勝利を果たした。2着はファリア(Farrier)、3着はレースのペースを作ったエルティジャールであった。

 トリスターはこの勝利により、ドバイターフ(G1)で前年の覇者ソロウ(Solow)との眩いほどの決戦に臨む。ビュイック騎手自身がこの馬の大ファンであり、"驚異的なトリスター"と呼んでいる。

 ビュイック騎手はこう語った。「鋭い末脚の馬には沢山乗りましたが、彼のような馬には乗ったことがないと言っても過言ではないでしょう」。

 「ステップレースで素晴らしい勝利を収めたので、ドバイワールドカップデーでどのようなパフォーマンスを見せるか楽しみにしています」。


news_2016_10_01.jpg


アルマクトゥームチャレンジ・ラウンド3(G1・ダート2000m 3歳以上 3月5日メイダン競馬場)


 スペシャルファイター(Special Fighter)は他馬をクタクタに疲れさせ、スーパーサタデー(ドバイワールドカップデー各競走のステップレースが施行される日)においてムサバー・アル・ムハイリ(Musabah Al Muhairi)調教師に3勝目をもたらした。

 前走のアルマクトゥームチャレンジ・ラウンド2(G2)でスペシャルファイター(5歳)は6着となったが、今回はフェルナンド・ジャラ(Fernando Jara)騎手を背に先頭に立ち続けたことで楽々と競馬をすることができた。

 このレースでは、昨年のトラヴァースS(G1)で驚くべき勝利を収めてアメリカンファラオ(American Pharoah)に土をつけた唯一の馬キーンアイス(Keen Iceデール・ロマンズ厩舎)が、どのようなパフォーマンスを見せるかに注目が集っていた。

 しかし、キーンアイスはスペシャルファイターに食らいつくことができず、他馬と同様に完敗した(キーンアイスは7着となった)。

 ガンピット(Gun Pit 2015年12月に中京競馬場のチャンピオンズCで最下位の16)は負け馬の中でも最高の2着となり、フォークナー(Faulkner)は3着となった。

 同日施行されたメイダンスプリント(G3)では、ムハイリ調教師のもう1頭の勝馬フィットヤーン(Fityaan)が、ジャングルキャット(Jungle Cat)とソールパワー(Sole Power)を下して驚くべき勝利を挙げた。

 なお、この日3勝したムハイリ調教師に1勝目をもたらしたのは、マハーブアルシマール(G3・ダート1200m)を制したムアラーブ(Muarrab)であった。

 ムハイリ調教師は、スペシャルファイターは前走で蹄鉄を落としていたと報告した。そして、「私にとって素晴らしい夜でした。スペシャルファイターはレースのペースを決定しました」と付言した。

 同馬の次走はドバイワールドカップ(G1)である。


news_2016_10_02.jpg

By David Baxter

[Racing Post 2016年3月5日「Tryster uses turbo finish to claim Jebel Hatta」]