海外競馬ニュース 2013年01月31日 - No.5 - 1
北米からの強い購買意欲のため、タタソールズ社12月繁殖セールの売上げが増加(イギリス)[生産]

 タタソールズ社(Tattersalls)が今週発表した数字により、リニューアルされて開催された2012年の12月セールは、北米拠点の購買者の参加増を中心にますます国際的になっていることが明らかになった。

 タタソールズ社によれば、繁殖牝馬セールには33ヵ国の購買者が参加した。そして海外の買い手による購買は、売却頭数の少なくとも71%を占め、総売上げ4,393万2,200ギニー(約64億5,803万円)の73%を占めた。

 一族がケンタッキーにブルックデール牧場(Brookdale Farm)を所有するジョー・サイツ(Joe Seitz)氏は、過去10年間タタソールズ社12月セールで購買を行ってきている。2011年には、ガリレオ(Galileo)の牝駒リアルセンス(Real Sense)を24万ギニー(約3,528万円)で購買したが、今年はパスフォーク(Pathfork)の半妹となるビジュアルマインド(Visual Mind)を22万ギニー(約3,234万円)で落札したほか2頭の牝馬を購買し、全体の購買額は40万5,000ギニー(約5,954万円)となり購買額をほぼ倍増させた。

 サイツ氏は、「私たちは常に欧州の血統に注目しており、タタソールズ社のセールに来る米国人は確かに年々増えています」と述べた。

 そして、「米国の生産者は欧州の血統に関して以前より詳しくなっており、それはおそらく競馬産業の国際化によるものです。欧州馬は世界中のトップレースに出走しており、一目置かれるようになるのは時間の問題でした」と付け足した。

 また、ケンタッキー拠点のイートンセールズ社(Eaton Sales)のライリー・マクドナルド(Reiley McDonald)氏は、匿名の新規馬主のため、150万ギニー(約2億2,050万円)で落札したバニンピア(Banimpire)をはじめとする3頭を243万ギニー(約3億5,721万円)で購買し、米国人購買者の中で強い印象を残した。イートンセールズ社がタタソールズ社のセールで主役を演じたのは2009年以来のことである。

 ケンタッキーにあるマウントブリリアント牧場(Mt Brilliant Farm)オーナーのグレッグ・グッドマン(Greg Goodman)氏は、2011年は購買額が113万ギニー(約1億6,611万円)であったが、今回BCジュヴェナイルターフ勝馬ロート(Wrote)の牝馬デザートクラシックを87万5,000ギニー(約1億2,863万円)で落札し、このセールへの2回目の参加を値打ちのあるものとした。

 米国の生産者であるマンノウォー牧場(Man O’War Farm)のレイコ&マイケル・ボーム夫妻(Reiko and Michael Baum)にとっても、同セールへの初参加は、キングマンボ(Kingmambo)の牝馬コンペリング(Compelling)を32万5,000ギニー(約4,778万円)で落札することができ、成功であった。

 サイツ氏は、「タタソールズ社のセールは力強い市場であり、非常に活発です。およそ能力のある馬は必ず売れます。馬質は実際に見ないと分からないため、由緒ある母系の牝馬がいれば、海外の買い手は必ず見に来ます」と語った。

 過去数年と同様に2012年も、日本人の活発な購買活動によって売り上げが伸びており、そのうちのケイアイファーム(K I Farm)は、ワイルドココ(Wild Coco)を98万5,000ギニー(約1億4,450万円)で落札した。

 またタタソールズ社は、インドとリビアからの購買者がそれぞれ40頭ずつ購買し、パキスタンからの購買者が12頭購買したと発表した。

 また、ジェ・ヒョン・ユー(Jae Hyoung Yoo)氏の率いる韓国人購買者グループが初めて参加し、ローズウッドスタッド(Rosewood Stud)の名義で9頭を10万5,500ギニー(約1,551万円)で購買した。

 韓国人が長い間アメリカの繁殖馬セールで活発な購買活動を行ってきたことを考えると、今回の彼らのニューマーケットでの購買活動は、タタソールズ社にとって重要な一里塚となる可能性がある。

(1ポンド=約140円、1ギニー=約147円)

[Racing Post 2012年12月20日「North American demand fuels increased global Tattersalls trade」]