海外競馬ニュース 2012年06月21日 - No.26 - 1
サンデーサイレンスの血統が欧州に与える影響(欧州)[生産]

 日本で長い間支配力を持ってきたサンデーサイレンスの影響は、欧州でもより顕著となっている。

 欧州でのサンデーサイレンス血統の出走馬の頭数は、日本国外の生産者が同馬の種牡馬としての能力を認めるのに時間を要したこともあって、多数とはなっていない。しかし、海外におけるその限られた“サンデー産駒”から、欧州調教馬で重賞競走を制したレイマン(Layman)、サンドロップ(Sundrop)およびサンデーピクニック(Sunday Picnic)が現れ、G1で2着の実績のあるサンデー産駒ディヴァインライトの産駒となるナタゴラ(Natagora)が2008年の英1000ギニー(G1)を制した時には、クラシック血統として注目されていた。

 5月13日に、サンデー産駒で日本のチャンピオン馬ディープインパクトが、仏1000ギニーを制して欧州で初めてのG1馬となったビューティーパーラー(Beauty Parlour)を出したことから、サンデーサイレンスの欧州での影響力がどれほど強いものであるかが垣間見られた。2日前にはゴドルフィンが所有しサンデーサイレンスをブルードメアサイアーとするサンボルディーノ(Saint Bauldino)がシャンティイ競馬場でギッシュ賞(G3)を制している。

 ディープインパクトは引退して2008年に社台ファームに繋養されたときから、欧州の生産者に注目されていた。ウィルデンシュタイン一族(Wildenstein family)はディープインパクトを評価しており、欧州で初めてステークス競走を制したディープインパクト産駒、ビューティーパーラーの兄で準重賞を制したバロッチ(Barocci)を生産した。そしてディープインパクトの初年度産駒のアレフランス賞(G3)勝馬アクアマリン(Aquamarine)を生産している。

 “ディープ産駒”の中で一番最近のスター馬であるエリー・ルルーシュ(Elie Lellouche)調教師管理のビューティーパーラーは、フランスで出走しているわずか4頭のディープ産駒の3頭目のステークス勝馬となり、1000ギニーにあたる日本の桜花賞を制したジェンティルドンナに続き2頭目の1000ギニー勝馬となった。驚くべきことに、ディープインパクトは今年すでに9頭のステークス勝馬を送り出している。

 マスコミによれば、ビューティーパーラーはこの先さらに成長していくに違いない。同馬の母馬バステット(Bastet 父ジャイアントコーズウェイ)は、メルボルンカップ勝馬マイトアンドパワー(Might And Power)の半妹で、2,300 mの準重賞を制している。

 ビューティーパーラーの次走は仏オークス(G1)とみられている。一方、ゴドルフィンのサンボドリーノは仏ダービー(G1)を目指すようだ[訳注:結果は、ビューティーパーラーは仏オークスでヴァリラ(Valyra)の2着で、サンボドリーノは仏ダービーでサンノワ(Saonois)の2着であった]。

[Racing Post 2012年5月17日「Sunday Silence offspring make huge impact」]