海外競馬ニュース 2010年06月03日 - No.22 - 3
スポーツ界の長者番付に入った競馬関係者(イギリス)[その他]

 初めて作成されたサンデータイムススポーツ長者番付(Sunday Times Sport Rich List)において、競馬がサッカー、モーターレースおよびゴルフに比べて見劣りしたことは何ら驚くことでもない。とは言え、この英国およびアイルランドのスポーツ界の長者番付トップ100には3人の調教師と2人の騎手が含まれていた。

 競馬界のランキングで頂点に立ったマイケル・スタウト(Sir Michael Stoute)氏は、その年収が1,500万ポンド(約25億5,000万円)と見積もられ、ボクサーのジョー・カルザゲ(Joe Calzaghe)氏、テニス選手のアンディ・マーレー(Andy Murray)氏および元英国ラグビー代表選手スティーヴ・スミス(Steve Smith)氏と並んで49位となった。

 フランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手は、年間300万ポンド(約5億1,000万円)と言われているモハメド殿下(Sheikh Mohammed)との英国での主戦騎手契約、賞金および繁殖に供する所有馬からの配当、そして事業利益により、その年収は1,200万ポンド(約20億4,000万円)に達し、他の騎手を圧倒している。事業利益には、一流シェフであるマルコ・ピエール・ホワイト(Marco Pierre White)氏と協力して展開しているレストラン“フランキーズ・バーアンドグリル(Frankie’s Bar and Grill)”7店の利益が含まれている。

 ルカ・クマーニ(Luca Cumani)調教師は、フィトックススタッド(Fittocks Stud)における生産事業700万ポンド(約11億9,000万円)を含む1,100万ポンド(約18億7,000万円)となっている。また、10回以上最優秀調教師となったことのあるヘンリー・セシル(Henry Cecil)調教師と今や15年連続でチャンピオン障害騎手となったトニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手はいずれも、その年収が1,000万ポンド(約17億円)と見積もられている。

 長者番付全体のトップはウィガン・アスレチックFC(Wigan Athletic)のオーナーであるデーヴ・ウィーラン(Dave Whelan)氏であり、その年収は1億9,000万ポンド(約323億円)と伝えられている。またデヴィッド・ベッカム(David Beckham)選手は、1億2,500万ポンド(約212億5,000万円)の年収で長者番付2位となっている。なお、長者番付トップ10のうちの7名は、カーレースの引退または現役のドライバーである。

 しかし、スポーツ界のスターをはるかに凌いでいるのは、ジブラルタルを拠点とするインターネットポーカー提供会社であるパーティーゲーミング社(Party Gaming)のラッセル・デ・レオン(Russell De Leon)氏とルース・パラソル(Ruth Parasol)氏に代表される賭事業界の有力者たちである。2人は合わせて8億3,200万ポンド(約1,414億4,000万円)の年収を有している。

 ベットフレッド社(Betfred)の社長であるフレッド・ダン(Fred Done)氏とその兄弟であるピーター(Peter)氏は2009年、その年収が1億5,000万ポンド(約255億円)増加し6億6,000万ポンド(約1,122億円)となった。一方、以前ブックメーカーを営み現在は馬主であるマイケル・テイバー(Michael Tabor)氏は、5億3,000万ポンド(約595億円)の年収があると言われている。この額は、ストークシティFC(Stoke City)のオーナーであり、2005年のプロヴィンシャルレーシング社(Provincial Racing)売却後、娘のデニーズ(Denise)氏の助言によりベッティングショップを持たないオンライン賭事会社のベット365社(Bet365)を創立した、ピーター・コーツ(Peter Coates)氏の年収5億ポンド(約850億円)を上回っている。

By Graham Green
(1ポンド=約170円)

[Racing Post 2010年5月3日「Stoute heads racing figures in Rich List」]