海外競馬ニュース 2010年04月22日 - No.16 - 4
BHA、土壇場で調教師に馬名変更を要請したことで謝罪(イギリス)[その他]

 BHA(英国競馬統轄機構)は、英国のチャンピオン馬“イスタブラク(Istabraq)”の名前に発音が似すぎていると遅ればせながら裁定し、サセックスを拠点とするルーク・デース(Luke Dace)調教師に土壇場で馬名の変更を命じたことで、同調教師に謝罪した。

 BHAは、プランプトン競馬場への出馬投票が3月15日に提出された後、“イースターブラク(Easterbrac)”の発音がハードル競走のチャンピオンに3度輝いた“イスタブラク”と近すぎると見なし、3月17日にこの件に介入した。

 BHAは3月12日に申請されていた馬名を3月15日に承認し、その後“イースターブラク”の登録を確認し同馬のパスポートを作成し、それをデース調教師に送付していた。

 デース調教師は、今や“イースターラッド(Easter Lad)”として出走することになったシャーラスタニ(Shahrastani)の2004年生まれの産駒(せん馬、鹿毛)を生産し所有している。

 同調教師は、「この馬はイースター(復活祭)の日に生まれましたので、私たちは彼に“イースター”という言葉の入った名前をつけようとしましたが、そのような馬は200頭あまりいました。当初の名前はふと思い付いたもので、妻のルイーズも私もかなり気に入っていました」と語った。

 「“イスタブラク”のように聞こえることとは何の関係もありません。もし私が“イスタブラク”のように聞こえる名前を望んでいたとしたら、私は当初の名前よりももっと “イスタブラク”に近い名前をつけていたでしょう」。

 デース調教師は次のように付言した。「私はBHAが一度承認したにも関わらずその名前を保持できないと通知してきた時に少しばかりむっとしましたが、私がこの事に関してできることは何もありません。実況コメンテーターが発音する時に奇妙に聞こえたり他の何かと似ているようなさまざまな名前の馬は世の中に沢山いるのに、私の馬の名前が指摘されているのは、ちょっとしたジョークです」。

 BHAの広報担当のポール・ストラザーズ(Paul Struthers)氏は3月19日夜に、次のように語った。「まったく我々の側の落ち度であり、すでにデース調教師に謝罪をしました」。

 「本来、BHAには馬名登録課があり、また英国のサラブレッド血統登録機関のウェザビー社(Weatherbys)は問題になりそうな名前を表示した比較一覧表を作成しているのですが、“イースターブラク”は3月15日に審査を通過してしまいました」。

 「国際保護馬名である“イスタブラク”と発音が非常に似ているのは明らかであり、私たちは誤りに気づくとすぐに、デース調教師に連絡を取り、他の名前が必要となることを伝えました」。

 「問題の馬は出走できる状態にあります。今回の件は私たちのミスではありますが、私たちは馬名を付けることがいつも容易とは限らないと認識しています。馬名の申請から登録までを数日間で処理しなくてもよいのであれば、はるかに容易なのですが」。

By Graham Green

[Racing Post 2010年3月20日「BHA apologises as Dace forced to make late name change」]