海外競馬ニュース 2009年05月21日 - No.20 - 4
70歳のアリゾナ大学競馬産業プログラム卒業生、皆の思い出のなかに(アメリカ)[その他]

 サラブレッド競馬についてもっと学ぼうとするリチャード・ホーランド(Richard Holland)氏の意欲は、退職しても、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)に罹っても衰えることはなかった。

 ホーランド氏は、ヒューズエアクラフト社(Hughes Aircraft Co.)のミサイル防衛システム部門で、またレセオン社(Raytheon Co.)で物理学者として35年間勤務した後、2006年にアリゾナ大学競馬産業プログラム(University of Arizona’s Race Track Industry Program)に入学した。ホーランド氏は在学中の2007年からルー・ゲーリック病(Lou Gehrig’s disease)と呼ばれるALSに苦しめられた。同氏は2008年12月に同校を卒業したが、2009年3月4日にこの病のため70歳でこの世を去っ た。

 アリゾナ大学競馬産業プログラムの学部長ダグ・リード(Doug Reed)氏は、「彼は修了する少し前にALSに罹り苦しみましたが、何とか最後まで頑張りました。常人にできることではありません。彼が最後の2学期に ALSの症状に悩まされていたことを思い出します。ALSに罹っても皆と一緒に学び、休日には競馬を楽しんでいたことは周囲の人々を鼓舞しました。彼は心 から競馬を愛していました」と語った。

 ホーランド氏は2006年春にアリゾナ大学で聴講し初め、同年秋に正式に競馬産業プログラムの学生になった。

 リード氏は、「ホーランド氏はここに来る前にいくつかの学士号を取っていました。彼の目標は新たに学部課程を修了することではなく、大好きな競馬についてより深く学ぶことでした」と述べた。

 リード氏は、ホーランド氏が学生ばかりでなく教員からも慕われていたと述べた。

 ホーランド氏は、リード氏の競馬運営組織および経営クラスにおけるグループ研究に参加し、目覚しい成果を上げた。それは厩舎などの経営体を1つ選んで詳 細に分析するものであり、ホーランド氏はカリフォルニアを拠点とするダグ・オニール(Doug O’Neil)調教師の協力を得てこれに取組んだ。

 リード氏は、「大厩舎について彼らが行った分析は大変素晴らしいものでした。健康な学生でもこんなに情報を集めることはできません。オニール調教師は病 気をおして懸命に頑張るホーランド氏の求めに応じて快く協力してくれました。これは彼の業績の一例にすぎません」と語った。

 ホーランド氏は学生であると同時に、ジャック・ヴァン・ベーグ(Jack Van Berg)調教師ならびにウェスリー・ワード(Wesley Ward)調教師と競走馬を共有する1人の馬主でもあった。

By Laura Pepper


[Thoroughbred Times 2009年4月18日「Non-traditional RTIP student inspired classmates」]