トゥーダーンホットが後肢管骨の亀裂骨折のために引退(イギリス)[その他]
グロリアスグッドウッド開催のサセックスS(G1)で驚異的な勝利を果たした5日後の8月5日(月)、トゥーダーンホット(Too Darn Hot 父ドバウィ)は後肢管骨の亀裂骨折のために引退した。G1・3勝の同馬は、サセックスS(7月31日)のレース中にこの怪我を発症したと考えられている。
通算成績9戦6勝で3着以内を逃したことがないトゥーダーンホット(ジョン・ゴスデン厩舎)は、ニューマーケット馬診療所(Newmarket Equine Hospital)で手術を受けた。
馬主アンドリュー&マデライン・ロイド・ウェバー夫妻のレーシングマネージャーであるサイモン・マーシュ(Simon Marsh)氏は、こう語った。「レントゲンで亀裂骨折がみつかったため、トゥーダーンホットは右後肢の管骨の緊急手術を受けました」。
「彼が手術を無事に乗り切ったことを報告できるのを嬉しく思います。怪我は生命を脅かすものではなく、完全に回復するでしょう。彼は今後、ニューマーケットのダーラムホールスタッドに向かう予定です。そこで静養し、2020年には種牡馬として供用されるでしょう」。
「ロイド・ウェバー夫妻と私は、昨年の最優秀2歳牡馬であるトゥーダーンホットを競馬場で二度と見られないことを大変悲しく思っています。この12ヵ月間、彼はG1・3勝を果たして私たちに大きな興奮をもたらしてくれました。先週のサセックスSでの輝かしい勝利はまさにクライマックスでした」。
トゥーダーンホットは2歳シーズンにおいて、デューハーストS(G1)でG1初勝利を果たすなど4戦4勝を挙げ、偉大なフランケルとの類似点を指摘されていた。各国代表のハンデキャッパーは1月、トゥーダーンホットにレーティング126を付けることについて見解を一致させた。これは2010年末にフランケルとドリームアヘッド(Dream Ahead)に付けられたレーティングと同じである。
春に管骨瘤が見つかったトゥーダーンホットは、英2000ギニー(G1 5月4日)を回避した。その後ダンテS(G2 5月16日)に出走したが、テレキャスター(Telecaster)の2着に敗れた。
愛2000ギニー(G1 5月25日)ではフェニックスオブスペイン(Phoenix Of Spain)の2着となり、セントジェームズパレスS(G1 6月18日 ロイヤルアスコット開催)ではサーカスマキシマス(Circus Maximus)の3着に敗れた。そして最後の2戦でその適性を示すことになる短めの距離で、その実力は再びピークに達した。
トゥーダーンホットは、7月7日のジャンプラ賞(G1 1400m ドーヴィル競馬場)に挑み、3馬身差の勝利を決めた。そして7月31日のグロリアスグッドウッド開催のサセックスS(約1600m)で、ロイヤルアスコットでの宿敵サーカスマキシマスに½馬身差をつけて優勝した。
トゥーダーンホットがフランキー・デットーリ騎手を背にサセックスSを制した後、関係者はBCマイル(G1)をシーズン後半の最大目標として定めていた。
同馬はサンダウン競馬場でデビュー戦を7馬身差で優勝した後、ソラリオS(G3 サンダウン)、シャンペンS(G2 ドンカスター)を立て続けに制した。そして、デューハーストS(ニューマーケット)でアドヴァータイズ(Advertise)を下して優勝したとき、デットーリ騎手はこの馬を"驚くべき馬"と表現していた。
By Jack Haynes
(1ポンド=約130円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2019年No.16「英ダービーの本命馬トゥーダーンホット、英2000ギニーを回避(イギリス)」、2019年No.26「ジャンプラ賞優勝のトゥーダーンホットは予想以上に短距離向き(イギリス)」
[Racing Post 2019年8月5日「Sussex Stakes winner Too Darn Hot retired after sustaining career-ending injury」]