競馬へ情熱を注ぐサイモン・コックス氏がBHA新会長に就任(イギリス)【開催・運営】
英国競馬統括機関(BHA)の新会長に就任するサイモン・コックス氏は、BHAが7月22日(水)に、同氏が10月1日から当初3年間の任期で会長職に就くことを正式に発表したことを受け、英国競馬は「重大な課題」に直面していることを認めた。
本紙は前日の夕方、コックス氏が空席となっていた会長職に就任する見込みだと報じていた。
58歳のコックス氏は、競馬に「情熱を注ぐ」オーナーブリーダーであり、醸造業界で30年以上のキャリアを積んだ優れたビジネスリーダーであると評されている。
同氏は、「英国競馬と生産界にとってこれほど重要な時期」にBHA会長に任命されたことは「大変光栄」だと述べた。
コックス氏は、英国競馬公社(BHB)元会長のピーター・サヴィル氏や、英国農業者連合(NFU)の元会長で、現在は英国競馬の馬福祉委員会(Horse Welfare Board: HWB)会長およびソールズベリー競馬場理事を務めるミネット・バターズ氏を退けて新会長に選出された。
BHA会長職は、3月にアレン卿が就任してからわずか6か月で辞任したことで空席となっていた。同氏の辞任は、独立した理事会の設置やより商業性を重視した役割への改革案について、BHAの構成組織間で合意に至らなかったことを受けてのものだった。
コックス氏は次のように述べた。「私は醸造・飲料業界で長年にわたり充実したキャリアを歩んできましたが、競馬は常に私の情熱でした。この素晴らしいスポーツに長年携わる機会に恵まれたことは、私にとって非常に幸運なことで、その間に私は多くを学んできました。そして少なからず貢献できていたなら幸いです」
「英国の競馬と馬の生産は、世界的な成功事例です。我々の業界は、馬の福祉基準の高さ、競走の公正性と健全性、そして競馬関係者、競走馬、競馬の質の高さにおいて、世界的に高い評価を得ています」
「我々が重大な課題に直面していることは周知の事実であり、私が重点を置くのは、これらの課題に対処するために競馬界が一丸となって取り組めるようにすることです。特に、競馬への参加者を増やすこと、顧客基盤の拡大、そして何よりも収益基盤の拡大に重点を置いていきます」
「すでに多くの分野で非常に良い取り組みが進められています。しかし、業界が今後何世代にもわたって繁栄し続けられるような基盤を築くためには、まだやるべきことがたくさんあります」。
コックス氏は15年以上にわたり競走馬の馬主を務めており、現在、イアン・ウィリアムズ厩舎とトム・ジョージ厩舎に4頭の現役馬を預託している。近年ではサラブレッドの生産者としても活動しており、シェードオーク・スタッドに10頭の繁殖牝馬を繋養している。同牧場には、同氏が共有で保有する種牡馬ロジシャンも繋養されている。
コックス氏は競馬界で数多くの役職を歴任しており、2021年11月からはサラブレッド生産者協会(TBA)の理事会のメンバーも務めている。また、プロ騎手協会(PJA)の元理事でもあり、BHAの障害パターン競走委員会の委員長を務め、業界のハイクオリティ・ホースグループのメンバーでもある。
同氏は今秋、BHA会長に就任する前に、現在の役職をすべて辞任する予定である。
TBAの最高経営責任者(CEO)であるナオミ・メラー氏は、コックス氏の就任を祝し、次のように述べた。「コックス氏は、英国の競馬および馬の生産に対する深い理解と献身に加え、豊富なビジネス経験とリーダーシップをもたらしてくれるでしょう」。
さらに、コックス氏がTBAで活動した間、私たちは「彼の思慮深く協調的な姿勢と、競馬の長期的な健全性を支えようとする強い決意を間近で見てきました」と付け加えた。
コックス氏は醸造業界で32年間勤務し、2014年にはモルソン・クアーズ社の欧州地域社長兼最高経営責任者(CEO)に任命された。その後、担当範囲はアフリカ、中東、アジア太平洋地域にも拡大し、2021年末に同職を退任した。
BHA理事であり、今回の指名委員会委員長を務めたカーステン・ハレー氏は、コックス氏について、「極めて競争の激しい採用プロセスにおいて、並外れて有能で優秀な人材が多数いる中でも、コックス氏は終始、高く評価される候補者でした」と評した。
彼女は次のように述べた。「我々は特に、コックス氏が長年にわたりオーナーブリーダーおよび競馬への投資家として培ってきた英国の競馬および生産に関する深い知識と理解、そして実に印象的なビジネスキャリアで培われた経験と専門性に感銘を受けました」
「彼は、我々の業界が直面する課題の性質を鋭く把握しており、それらにどう対処すべきかについて明確で説得力のある計画を打ち出しました」
「競馬界のガバナンス、成長戦略、馬と人の福祉、そして政府との関係といった重要課題をどのように前進させるべきかについての彼の確固たるビジョンは、業界にとって極めて重要なこの時期に、彼が卓越したリーダーシップを発揮するにふさわしい資質を備えていることに疑いの余地を残しませんでした」。
BHAの暫定会長兼上級独立理事であるデビッド・ジョーンズ氏は、コックス氏がすでに「業界内で非常に確固たる地位を築き、深く尊敬されている人物」であると述べた。
ジョーンズ氏はさらに次のように付け加えた。「彼はまた、鋼のような決意と決断力を持ち、心から英国競馬の成功を願う揺るぎない情熱を抱いている人物です」
「コックス氏は、競馬ファン、馬主、生産者、投資家、そして積極的に活動する競馬関係者として長年にわたり業界にとって貴重な存在であり、優れたBHA会長となるために必要なスキルと人間性を備えています」。
今回の選考プロセスは物議を醸すこともあった。サヴィル氏は、自身が詳細にまとめた改革案について質問されなかったとして指名委員会を批判した。
その後、バターズ氏も最終候補者リストに名を連ねていたことが明らかになった。
本紙の取材に対し、バターズ氏は次のように述べた。「私はこの選考プロセスに参加するよう依頼されました。選考プロセスを経た後、任命されないことを告げられました。その理由は、私が適任とは見なされなかったからだと説明されました」。
By Bill Barber
(関連記事)
海外競馬情報 2026年No.8「アレン卿がBHA会長をわずか半年で辞任(イギリス)【開催・運営】」
海外競馬情報 2026年No.18「ピーター・サヴィル氏がBHA会長就任を目指し、支持を広げる(イギリス)【開催・運営】」
「'Passionate' Simon Cox takes over as BHA chair - but warns 'it's no secret that we face significant challenges'」]

























