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2026年05月21日  - No.17 - 2

2027年は米三冠競走の改革を行う理想的なタイミングとなるか(アメリカ)【開催・運営】


 最も熱心な伝統主義者でさえも、次の点においては反論しづらいだろう。もしアメリカ三冠競走に何らかの変更を加えるのなら、2027年シーズンが絶好の機会となるはずである。

 2023年以来初めて、三冠競走のすべてが伝統的な開催地に戻ることになる。メリーランドジョッキークラブ(MJC)は、ピムリコ競馬場が改修中である間、今年一年限りプリークネスS(G1)をローレルパーク競馬場で開催し、来年には再びピムリコ競馬場へ戻す予定である。同競馬場の改修は来春にはまだ完成していないだろうが、レースを本拠地に戻しつつ、改修後の姿を一足先に披露する考えである。

 ベルモントS(G1)は、今シーズンも3年連続でのサラトガ競馬場での開催となるが、その後は本拠地であるベルモントパーク競馬場の新施設に戻ることが予定されている。

 チャーチルダウンズ、ピムリコ、ベルモントへの回帰は、三冠シリーズにとって大きな追い風となるだろう。その伝統に立ち返るのは喜ばしいことであるが、この新たなスタートは変革のための絶好の機会となるだろう。筆者なら、現代の調教メソッドによりよく適応できるよう、開催日程に手を加えたい。完璧な解決策はないかもしれないが、ケンタッキーダービー(G1)の出走馬がより多くプリークネスSに続けて出走するような取り組みは大いに歓迎されるだろう。

 はっきり言えば、これは三冠完全制覇への道を容易にするためのものではないということである。その目的は、より多くのケンタッキーダービーの勝ち馬や上位馬がボルチモアでの競走(プリークネスS)に出走することである。過去5年間のケンタッキーダービー優勝馬のうち3頭がこの道を歩まなかったことを考えれば、ダービー優勝馬の陣営が、ピムリコ競馬場への遠征をもはや判で押したように承諾しているわけではないのは明らかである。

 日程に若干の調整を加えれば、より多くの馬のコンディションを100%かそれに近い状態まで戻すことができるようになる。そうなれば、多くのホースマンがプリークネスSを競走として意義があり、馬にとっても適切な選択肢であると再認識するだろう。

 プリークネスS、そしておそらくベルモントSの開催日程を変更することは、確かにダービー優勝馬をプリークネスSに呼び込むことになるだろうが、同時に、トップクラスの3歳馬がシリーズで複数回対決する機会を増やすことにもつながるだろう。

 北米の競馬界には、毎年瞬く間に大衆にとってのスター馬を生み出すレースが今でも残っている。それがケンタッキーダービーである。それ以外にも、このレースに出走する他の有力馬たち、あるいはグレートホワイト(ゲート入り前に暴れ、競走除外)のように奇妙な事情に巻き込まれた馬たちでさえ、ある程度の知名度を得ている。現在、グレートホワイトは一般大衆にとって2番目に有名な馬かもしれない。これこそがダービーの力である。

 もし、ダービー優勝馬や他のダービー出走馬がプリークネスSに出走する可能性を高めるような調整が可能なら、それは取り組む価値がある。そうすれば、プリークネスSの出走馬の層が厚くなるだけでなく、ファン(競馬ファン以外の一般層も含めて)にとっては、すでに馴染みのある馬たちを見る機会になる。

 奇妙なことに、競馬界の感覚で言えば、ボブ・バファート調教師の三冠馬2頭(2015年のアメリカンファラオと2018年のジャスティファイ)を目撃したことは、それほど昔のことではない。両馬は、5週間の間にこれら3レースを勝つことが決して不可能ではないことを、人々に思い出させるものだった。

 しかし、状況は急速に変わり得る。最近のダービー優勝馬がプリークネスSに登録さえされないという傾向は、筆者には競馬界がもはやこの伝統を受け入れていないことのあらわれであるように見える。公正を期して言うならば、昨年ジャーナリズムがプリークネスSを優勝し、その前後のダービーとベルモントSで2着に入ったことは、こうした状況とは相反する例だったといえるだろう。

 実現可能ではあるが、我々はたまにしか現れない全3競走に出走するに依存する今の伝統に固執したいのだろうか。それとも、より多くの有力馬がダービーからの回復を経て競い合えるような、より多くの馬が参加しやすい開催日程を望むのだろうか。

 近年このシリーズでは多くの変更を経てきたことに鑑みれば、2027年に変更を加えるのは良いタイミングのように思われる。2020年のコロナ禍におけるベルモントSは、1 1/8マイル(約1800メートル)で三冠シリーズ最初のレースとして開催された。その後、9月にケンタッキーダービー、10月にプリークネスSが続いた。ちなみに、この完全に非伝統的なアメリカ三冠競走では、ティズザロー、オーセンティック、そして牝馬のスイススカイダイバーが栄冠を手にした。もちろん魅力的な3頭ではあるが、今後このような劇的な変更を推奨しているわけではない。

 筆者はレースの距離の変更には賛成できないが、開催日程、つまりレースのタイミングに多少の変更を加えることは、本シリーズに新たな活力を吹き込む助けになるかもしれないと考えている。筆者はアメリカ三冠競走の歴史のすべてを愛してきた。同時に、その未来にとって何が最善なのかも考えようとしている。

(関連記事) 海外競馬ニュース 2026年No.15「チャーチルダウンズ社がプリークネスSの知的財産権を取得(アメリカ)【開催・運営】

By Frank Angst

[bloodhorse.com 2026年5月12日「Next Season Ideal Year to Make Triple Crown Changes」]


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