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2026年04月30日  - No.15 - 2

チャーチルダウンズ社がプリークネスSの知的財産権を取得(アメリカ)【開催・運営】


 チャーチルダウンズ社(CDI)は、アメリカ三冠競走の第2戦であるプリークネスS(G1)の知的財産権を取得することで、同レースの発展を手助けしたいと考えている。

 4月23日(木)に行われたアナリストや投資家を交えた電話会議で、CDIのビル・カースタンジェンCEOは、同社がプリークネスSの知的財産権を8,500万ドル(約136億円)で取得するという最終合意に至ったことについて、詳細の一部を明らかにした。この取引には、伝統的にプリークネスS前日に開催されているブラックアイドスーザンS(G2)も含まれている。

 本取引は、慣習的な取引完了条件を満たすことを前提としているが、CDIは、メリーランド州の競馬を再編する広範な計画のもとで、ストロナックグループに属する1/STレーシング社が保有していたプリークネスSの知的財産の所有権を引き継ぐこととなる。この計画により、従来1/STレーシング社(1/STメリーランド社)が保有していたメリーランドジョッキークラブ(MJC)を非営利団体が引き継ぎ、同州の日常的な競馬運営を担うこととなった。

 カースタンジェン氏は、メリーランド州の競馬を形作るのはMJCと州政府であるとする一方で、プリークネスSの発展に向けて、CDIはあらゆる専門知見を提供するだろうと述べた。CDIはケンタッキーダービーウィークを、今年は同社に1,500万ドル(約24億円)から2,000万ドル(約32億円)の調整後利益をもたらす見込みのイベントへと成長させた。

 「私たちにとって、この象徴的な資産と考えているものに関われることは大きな喜びです」とカースタンジェン氏は語った。「この業界に長年携わっているものとして、私はプリークネスSの歴史をよく知っています。過去にどのような存在であったか、そして将来どのようになり得るかも理解しています」。

 同氏は、CDIは要請に応じて、MJCや州政府と協力して、プリークネスSを発展させていくと述べた。

 本契約が完全に履行されれば、プリークネスSの権利をMJCにリースすることで、CDIには毎年数百万ドルもの収入がもたらされることになる。これらの支払いは従来、プリークネスSの知的財産権を保有していた1/STメリーランド社に支払われていたが、同社は現在、その権利のCDIへの売却について最終合意に達している。

 23日の電話会議でカースタンジェン氏が説明したところでは、2027年より、MJCはプリークネスSに対して300万ドル(約4億8,000万円)の基本使用料に加え、プリークネスウィークエンド(金曜日と土曜日)の馬券総売上の2%に相当する金額を支払うことになる。また、この基本使用料は毎年わずかに(3%の0.25%分)増額される。MJCはこれが10年間の契約であり、契約期間終了時に再度交渉が行われる予定であると明らかにしている。

 2025年のプリークネスS当日の土曜日の売上高が1億1,004万3,794ドル(約176億700万円)、金曜日と土曜日の合計売上高はカースタンジェン氏の試算で1億4,000万ドル(約224億円)に上り、この総売上の2%に基づく支払いはさらに280万ドル(約4億4,800万円)を生み出すことになる。

 CDIは、この契約により売上高の増加から利益を得る立場にあり、さらに自社の大規模な事前入金型投票プラットフォームもプリークネスウィークエンドの売上高増加の恩恵を受けることから、CDIとしてはプリークネスSを成功させようと強く動機づけられることになる。カースタンジェン氏は、重要な意思決定はMJCが行うが、プリークネスウィークエンドの在り方の検討に支援を要請されれば、いつでも対応する準備ができていると述べた。

 「メリーランド州はプリークネスSの将来を左右する立場にあります。彼らは土地を所有していて、施設に投資するために4億ドル(約640億円)の債券発行を立法措置として承認しています」とカースタンジェン氏は述べた。「取引が完了すれば、間違いなく我々がその知的財産権の所有者となります。そして、州がそれらの目標を達成する上で、我々がどのような支援ができるのかについて、すでに州との間で緊密に対話を開始しています」

 「ここルイビルには競馬場や本社オフィスで働く従業員が300人おり、競馬場の運営支援、建設と設計、チケット販売、スポンサーシップ、そして賭事業務などに携わっています。ここには世界最高水準でこれらの業務を行う真の専門家チームがそろっており、州から我々の支援を求められれば、また何らかの形での支援を希望するのであれば、我々はそのリソースと実務面の知見を惜しみなく提供します」とカースタンジェン氏は語った。「そうした協議は始まったばかりであり、州のタイミングと方針に委ねて進めていくことが重要です」

 「ルイビルや中西部といった我々の市場と比較しても、この市場を極めて魅力的であると評価しています。ワシントンD.C.からボルチモアを経てフィラデルフィアに至るこの回廊地域は特に魅力的です。そこには素晴らしい顧客がたくさんいて、有望なスポンサーやビジネスパートナーも数多く存在しています。それゆえに、我々はこの市場を高く評価しています。この市場は大きな可能性を秘めており、多くのアイデアがありますが、これについては州から支援を要請してもらう必要があります」。

 4月21日にCDIが発表した、プリークネスSの知的財産権を取得することで1/STメリーランド社と合意したことについてのプレスリリースは、MJCとの共同発表ではなく、MJCは約10時間後に別途プレスリリースを発表した。23日にMJCの会長兼ゼネラルマネージャーであるビル・ノーフ氏は、現在は今年のプリークネスSに注力しているものの、CDIとの協議を開始していると述べた。同氏は、協議は今年のレース終了後に本格化する見込みであり、CDIが大型イベント運営の専門知見をもたらすことについて期待を示した。

 メリーランド州競馬の大規模な改革の一環として、メリーランド・スタジアム機構は現在、メリーランド経済開発公社およびMJCと提携し、通常はプリークネスSの開催地であるピムリコ競馬場を通年開催が可能な競馬施設へと転換するプロジェクトを主導している。それとともに、トレーニングセンターとして機能させるため、ローレルパーク競馬場の取得も進めている。

 MJCは21日のプレスリリースで、ブラックアイドスーザンSとプリークネスSについて、引き続き完全な運営権と責任を有していると述べた。どちらのレースも、ピムリコ競馬場の改修工事に伴って今年はローレルパーク競馬場で開催されるが、2027年からはピムリコ競馬場で開催される予定である。またMJCは2024年6月にメリーランド州と1/STメリーランド社の間で締結された包括契約に基づき、プリークネスSのメディア権及びライセンス権を管理している。

 当初1/STメリーランド社が関与していたこの合意は、現在はCDIがその役割を担うこととなった。1/STメリーランド社は21日、今回の売却によりメリーランド州の競馬事業から撤退することを明らかにした。見かけ上は、CDIのほうが1/STメリーランド社よりもプリークネスSを成功させる意欲が高いように見える。昨年のケンタッキーオークス(G1)およびダービーの開催では、合わせて約4億2,300万ドル(約676億8,000万円)の売り上げを記録した。

 カースタンジェン氏は、CDIが州当局と協議を行っており、プリークネスSを成功させることに意欲的であると述べた。

 「我々はすでにその対話を開始しており、期待に胸を膨らませています」とカースタンジェン氏は語った。「今後の展開を楽しみにしています」。

By Frank Angst

(1ドル=160円)

[bloodhorse.com 2026年4月23日「With Preakness Purchase, CDI Hopes to Grow Event」]


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