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2023年11月20日  - No.11 - 1

2024年競馬開催日割の改革の評価指標が発表される(イギリス)【開催・運営】


 BHA(英国競馬統括機構)は11月6日(月)、2024年の競馬開催日割改革の成果を評価するための指標を公表した。そこには、発売金・入場者数・現役馬頭数・賞金額・出走頭数などの改善目標が含まれる。
 BHAは、英国の最高級のレースを披露する170のプレミアム開催を含む2024年競馬開催日割を発表したとき、改革の成功を判断するための指標を策定すると約束していた。
 2024年の開催日割への追加的な資金提供を競馬賭事賦課公社(Levy Board: 賦課公社)に求めるうえで、このような評価指標を設けることは重要な要素だった。
 BHAは、成功と失敗は狭い数値目標のみに基づいて判断するのではなく広範囲に及ぶ定量的・定性的尺度を設定することで賦課公社と合意していたと述べた。
 BHAが設定した12の主要成果評価指標(KPI)のひとつとして、午後2時~4時の枠に3開催しか実施されない土曜日(33日)の発売金総額が対象となっており、それは残りの土曜日(19日)の発売金総額を6〜7%上回ることを目標としている。
 また2025年末までにプレミアム開催での入場者数の減少を逆転させて10%増加させること、同じ時期までに英国の出走頭数を2.5%増加させることも目標にしている。
 競馬産業のモデル分析によると、新しい戦略の結果、競馬への関与が高まるため、英国競馬界の財政は何の措置も取らずに収入が減少し続ける状況と比べ、2024年から2028年にかけて9,000万ポンド(約167億円)改善すると見込まれている。
 BHAは短期的には、2024年におよそ600万ポンド(約11億1,000万円)の収益改善を見込んでいる。
 開催日割の改革は2年間にわたり試験的に実施される。BHAのCOO(最高執行責任者)リチャード・ウェイマン氏は、すべての措置がすぐに功を奏すわけではないことを認めた。
 ウェイマン氏は本紙(レーシングポスト紙)に対してこう語った。「定着するまでに時間がかかるものもあるかもしれません。たとえば、行動の変化などもそうです。それに、まったく機能しないものもあります。2年間の目標を設定しているため、事実上、とても短い期間で長期的な戦略を評価しようとしているのです」。
 「さらに短期間であるということは、設定した目標はこれらの改革が私たちをどこに向かわせるかについての究極的かつ長期的な野心とは異なっていることを意味します。私たちはそれよりもむしろ、この狭い時間枠の中で今後の道のりの方向についての当面の指標を求めているのです」。
 ウェイマン氏はまた、物価上昇や経済力チェックによる打撃など多くの外的要因が目標に影響を及ぼす可能性があると注意喚起した。
 「そのため目標を測定するだけでなく、競馬についての過去に遡っての詳細な分析も継続的に行っていきます。しかしどのような計画や戦略も、測定可能なデータと目標に基づくことが肝要なのです」。
 ウェイマン氏によれば、BHAは2024年に向けて発表された改革が開催日割の強化につながると楽観視しているという。「私たちが行ってきた改革は、これまでと同じことをただやり続ける場合よりも、顧客のことを一層配慮した、より良い開催日割を生み出すことになるでしょう」。
 「最高の開催日割をできるだけ有効に活用し、日曜開催を増やすことを試み、レースをより白熱したものにしようとすること。これらすべては明らかに良いことです」。
 「その点を軽視したくないと思っています。そこには戦略をまとめるために利用したデータや情報だけでなく、多くの良識があります」。

目 標

  1. 午後2時~4時の枠に3開催しか実施されない33土曜日の発売金総額が、ほかの19土曜日を6~7%上回ること。
  2. 日曜夕方の開催の発売金総額が、週半ば(火曜~木曜)のナイター開催よりも15~20%上回ること。
  3. 2023年と比較して開催日割全体における発売金の減少を緩やかにし、プレミアム開催の発売金総額をほかの日程よりも相対的に1~2ポイント高めること。
  4. 2024年のプレミアム開催で入場者数の減少に歯止めをかけ、2025年には2023年と比較して5~10%増加させること。
  5. 土曜日の入場者数が開催数の削減などにより最初のうちは減少するとしても、2025年までに現在のレベルである2万5,000人程度に回復させること。
  6. 2024年に土曜午後に発走時刻が衝突する英国の競走数を10%近くから3%に減らすこと。
  7. 2025年までに英国のレースの出走頭数を2023年よりも2.5%増やすこと。
  8. 平地競走ではレーティング85以上の馬を2024年に5%増加させ、2025年にさらに5%増加させること。障害競走ではレーティング130以上の馬の数を2024年と2025年にそれぞれ2.5%ずつ増加させること。
  9. プレミアム開催の賞金総額を2024年に600万~700万ポンド(約11.1億~12.95億円)増加させ、減少が見込まれるほかの日程の賞金総額を2025年までに現在の水準に近づけること。
  10. 2024年には1レースあたりの出走頭数を2023年を超えるものとし、平地競走でのプレミアム開催では11.3頭まで拡大させること。
  11. 2024年に出走頭数8頭以上のレースの割合を2023年よりも増加させ、平地競走のプレミアム開催の80%を占めさせること。
  12. 2024年には1番人気馬のオッズが2倍以上のレースを2023年よりも増やし、その割合を平地競走のプレミアム開催では90%にまで到達させること。

By Bill Barber
(1ポンド=約185円)

(関連記事)海外競馬情報 2023年No.6「BHA、2024年競馬開催日割の大幅な改革を発表(イギリス)

[Racing Post 2023年11月6日「BHA reveals its targets to measure the performance of 2024 fixture list shake-up」]


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