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海外競馬情報
2020年10月20日  - No.10 - 1

全国馬産業発展計画、競馬を大きく後押し(中国)【開催・運営】


 中国の馬産業に対して、馬スポーツを促進する詳細な5年計画が発表されたことで、中国における競馬は大きな後押しを受ける。

 中国において競馬を開催することは1945年に禁止された。1949年から中国本土において合法の競馬賭事は実施されていない。しかし近年、特定の地域にかぎり展示レースが開催されている。香港ジョッキークラブ(HKJC)は従化競馬場で、チャイナホースクラブ(CHC)は内モンゴル自治区などの地域でレースを開催している。

 競馬への中国の投資は近年、欧州・米国・豪州などに殺到している。CHCが無敗で米国三冠馬となったジャスティファイ(Justify)の所有権の一部を有していたことは、その最も有名な例だろう。CHCは世界中であらゆる投資を手広く行う会員制組織であり、英国のトート社にも投資している。その入会金は100万ドル(約1億500万円)とも言われている。

 英国競馬の将来にとっての中国の重要性は昨年、BHA(英国競馬統括機構)・アスコット競馬場・グレートブリティッシュレーシング(Great British Racing)が共同で作成を委託した報告書において強調された。その中で、中国は"英国競馬にとって絶対的に重要な新興市場"と表現されていた。

 また、「中産階級の拡大、裕福な世代が目立つこと、そして馬に関する趣味への情熱が高まっていることから、競馬にとって中国は世界規模のチャンスであり続ける」とも記されていた。

 中国農業農村部と国家体育総局が9月末に行った共同発表は、『全国馬産業発展計画(2020-2025)』と題されている。それは、全国の馬スポーツと馬産業の促進および発展、そして中国の馬産業の転換と向上を加速させることを狙いとしている。

 政府は国内で"速度競馬"として知られる競馬を、以下の措置を取ることで発展させることを計画している。(1)馬福祉・薬物の水準を国際レベルに引き上げる、(2)国内の競走を向上させる、(3)"中国における競馬の信頼性"を概説する年間報告書を発表する。

 さらに競馬の促進と並行して、関連くじが運営されるかもしれない。それは、HKJCがこれまで中国政府に対して助言してきたものである。

 報告書にはこう記されている。「私たちは馬スポーツの制度を強化し、競馬を研究して促進します。国内の速度競馬のルールと全国発展計画を研究および策定することで、国際基準と一致するレーティング制度を確立し、全国の競馬制度を向上させます」。

 報告書はこう付け加えている。「競馬開催の信頼性を高め、専門職従業員の試験制度を推進し、職業倫理と行動基準を重要視します。馬の治療薬と禁止物質の管理と規制を強化し、国際基準に一致する馬の福祉制度を徐々に確立し、中国における競馬の信頼性についての年間報告書を発表します」。

 「『小さなステップ/ステップバイステップ/安定したステップ』、『試行してから実行へ』という原則に準じて、また、スポーツくじ(スクラッチくじ)と大規模なスポーツ試合の予想型くじの法整備と規制上の要件に従って、速度競馬の試験的取組みを促進します」。

By Peter Scargill
(1ドル=約105円)

 (関連記事)海外競馬情報 2019年No.1「チャイナホースクラブ、トート社購買のアリゼティ社に投資(イギリス)

[Racing Post 2020年10月9日「Major boost for Chinese racing as government launches strategy to promote sport」]

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